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UFCデビュー戦でいきなり王座挑戦のチャンスをもらった朝倉海だが2ラウンドに失神負け(写真・AP/アフロ)
UFCデビュー戦でいきなり王座挑戦のチャンスをもらった朝倉海だが2ラウンドに失神負け(写真・AP/アフロ)

「元RIZIN王者の朝倉海は完全にレベルの違いを見せつけられた」米メディアはUFCデビュー戦でフライ級王者に失神1本負けの衝撃を辛辣批判…「才能があるのも明らか」の声も

 世界最高峰の総合格闘技イベント「UFC310」が7日(日本時間8日)、米国ラスベガスのTーモバイルアリーナで行われ、元RIZINバンタム級王者の朝倉海(31、JTT)が、UFCフライ級王者のアレッシャンドリ・パントージャ(34、ブラジル)に挑戦したが、2ラウンド2分5秒にリアネイキッドチョークで落とされて、悔しい1本負けを喫し、黒星デビューとなった。朝倉は、飛び膝蹴りやカウンターの一撃で突破口を開こうとしたが、まともにはヒットさせてもらえず厳しい実力差を突きつけられることになった。

 打撃は封じられ、グラウンドの展開で手も足も出ず

 タップしなかったのがせめてもの朝倉海のプライドだったのか。
 第2ラウンド。パンチの攻防から、朝倉はスタンディングで背中に飛びつくようにバックを取られた。足をかけられ、なかなかエスケープができず、寝かされ、グランドの攻防となり、ボディを足四の字でロックされた。身動きが取れない状況に置かれて、パントージャの左手が後ろから首へと絡みついてくる。朝倉は懸命にディフェンスするが、今度は、右手に切り替えてのリアネイキッドチョークで締めあげられ、腕の力が抜けて、失神したところでレフェリーが試合をストップした。
 パントージャはゲージの上によじ登って歓喜。
「これがUFCのレベルだ。オレからベルトを取れると思ったのか。そんなわけないだろう。彼には必殺の武器もあってタフだったがオレの方が強い」
 リング上のインタビューでそう吠えた。
 インタビュアーからフィニッシュへの流れを芸術品だと絶賛されると、「あの四の字ロックは練習していた」と、想定していた試合展開だったことを明かした。
 そしてアメリカントップチームで共にトレーニングをしているRIZINフライ級王者、堀口恭司の名前を出して感謝の意を示した。
 すぐに意識を取り戻した朝倉は、座ったまま呆然。何か試合の手順をしくじったのか、苦笑いを浮かべ、セコンドに両手を合わせて謝罪した。
 UFC王者はレベルが違った。
 パントージャは、4年前の大晦日のRIZINで堀口が朝倉を攻略したカーフキックから、右ストレートで先に仕掛けてきた。さらにプレッシャーをかけたところに、朝倉が意表をつく飛び膝蹴りを見舞ったが、顔面の急所には当たらず、逆にケージに押し込まれた。瞬間バックを取られたが、うまく切り返し、ピンチを逃れたかに見えたが、左のフックをもろに一発効かされ、テイクダウンを許す。冷静に組んで一度は、立ち上がったが、離れ際にまたテイクダウンを奪われ、上に乗られてコントロールされた。
 再びスタンディングの展開になるが、パントージャは、朝倉が積極的に繰り出す打撃を警戒して強引には攻めてはこない。クレバーだ。朝倉はスーパーマンパンチを出すものの、ディフェンスで防がれ、パントージャが、アクションを起こしたところに左膝をカウンターでボディに突き刺すが、これも数センチずらされ、まともに決めさせてくれない。飛び込んでの左のショートパンチにも両手を広げて「効いていないぞ!」のポーズ。左のハイキックも固いガードで防御された。
 緊張感が漂う1ラウンドが終わると、インターバルで、米国まで駆けつけた兄の朝倉未来が早口でアドバイスを送る。
「右ストレートからの左の膝がいい。あとは左のボディアッパーから右ストレート。ガードが堅いから間にいれろよ」

 

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