「なぜ横浜DeNAはドラ1左腕を出したのか?理解が難しい」濵口遥大とソフトバンク三森大貴の電撃トレードに衝撃が走る
横浜DeNAの濵口遥大投手(29)とソフトバンクの三森大貴内野手(25)の電撃トレードが23日、両球団から発表された。濵口は2016年のドラフト1位。横浜DeNAは現役ドラフトでも2018年同1位の上茶谷大河(28)を放出しており、SNSではファンの間から「寂しい」「悲しい」の声も聞かれる。このトレードでメリットを得るのはどちらの球団なのか。電撃トレード成立の背景を考察してみた。
横浜DeNAは2年でドラフト1位が3人もいなくなる
クリスマスを前に衝撃が走った。12月23日の正午に日本シリーズを争った横浜DeNAとソフトバンクの両球団から濵口と三森の1対1トレードが成立したことが発表された。
球団を通じて濵口は「びっくりした思いと、ここ数年はトレードもあるかもという覚悟はありました。」とコメント。
三森も「連絡がきた時は正直戸惑いましたが、これをチャンスだと思って心機一転頑張ろうという気持ちになりました」との談話を伝えた。
2人は2016年のドラフト同期。濵口は神奈川大を経てドラフト1位、三森は青森山田高からドラフト4位入団のため、年齢は4つ違うが、共に8年目のシーズンを終えたばかり。今季の濵口は、2軍落ちもあってキャリアワーストの11試合、2勝4敗、防御率3.25の成績に終わり、三森も故障などもあり、わずか25試合出場と不本意なシーズンだった。
年俸も濵口は800万円ダウンの推定4600万円で契約更改を終えており、今季推定4300万円の三森は、未更改だがダウン必至で年俸も似通っている。2人にとっては求められ環境を変えた新天地で輝きを取り戻すには、いいトレードだったのかもしれない。
だが、それぞれのファンにとってはショッキングなトレード。特に横浜DeNAは、投手力の強化がオフのテーマだったにもかかわらず現役ドラフトで2018年のドラフト1位の上茶谷がソフトバンクへ移籍しており、相次ぐドラ1の流出にSNSでは「寂しい」「悲しい」などの声が少なくなかった。昨年オフにはポスティングで2015年のドラフト1位の今永昇太もカブスに移籍しており、2年で3人ものドラ1がチームを去ったことになる。
現役時代に阪神、ダイエー(現ソフトバンク)、ヤクルトで先発、抑えで活躍し、福岡を拠点に評論家活動を行っている池田親興氏は、まずソフトバンク側の事情をこう説明した。
「三森は、セカンドには牧原がいてルーキーの廣瀬が台頭するなど出番が減り、来季は外野にも挑戦することになっていた。好走守が揃い、左打者としての勝負強さもある。出番のあるチームの方が三森のためになると球団は考えていたのだろう。チームの補強ポイントは投手陣。先発で計算できるのは有原、モイネロ、スチュワートの3人だけ。特に左は先発、中継ぎ共に足りない。濵口は先発もロングの中継ぎも両方でき、使い勝手がいい左腕。コントロールに難があり、今季は2軍暮らしもあって2勝に終わったが、ポストシーズンではポテンシャルを見せた。短期の補強で言えばソフトバンク側に利があるトレードだと思う」