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ソフトバンクからFAで巨人に移籍した“世界一捕手”甲斐拓也の入団会見が行われた(写真:CTK Photo/アフロ)
ソフトバンクからFAで巨人に移籍した“世界一捕手”甲斐拓也の入団会見が行われた(写真:CTK Photo/アフロ)

「甲斐はソフトバンクを出るべきではなかった」巨人大物OBが“世界一捕手”甲斐拓也のジャイアンツへのFA移籍にモノ申す

 巨人は26日、都内のホテルでソフトバンクからフリーエージェントを行使していた甲斐拓也捕手(32)の入団発表を行った。リーグ連覇、そして取り逃がした日本一の奪還に向けて、引き止めにかかるソフトバンク以上の大型契約を提示し、阿部慎之助監督(45)が自ら出馬して口説いたという。だが、巨人の大物OBで、ヤクルト、西武で監督を務めた“球界大御所”の広岡達朗氏(92)は「甲斐はソフトバンクを出るべきではなかった」と今回のFA移籍に異論を投げかけた。

 契約は5年で推定総額年俸は15億円

 

巨人の大型補強の仕上げは“世界一捕手”甲斐の獲得だった。4年ぶりのFA補強である。阪神の大山悠輔が残留、甲斐と同じくソフトバンクの石川柊太はロッテを選択。FA戦線での“敗戦”が続いていたが、中日の絶対守護神であるライデル・マルティネスの獲得に成功し、楽天を自由契約になった日米通算197勝の田中将大と契約、そして2024年の最後にソフトバンクの正捕手である甲斐の入団発表を行った。ソフトバンク以上の大型契約を提示し、阿部監督が自ら出馬して必要性を説いたという。5年契約で推定年俸は15億円と報じられている。
 報道各紙によると甲斐は「(巨人は)勝ち続けないといけないチームだと思っている。そこの責任、プレッシャーもあるが勝ち続けて、若い投手も多い中で、今まで自分が経験したことを引き続きやっていければ」との意気込みを語った。
 ブルペンを盤石にし、阿部監督がシーズン中は、勝負どころでは、ベンチから配球のサインを出すなど、頭を悩ませていた司令塔にも待望の甲斐が加わった。
 この日の会見に同席した阿部監督は、甲斐を「ピッチャーと表情だけで会話ができるキャッチャー。包容力がある」と表現。「うちの選手にすごくいい影響を与えてくれるんじゃないかという期待がある」とコメントした。
 だが、巨人の大物OBは甲斐の移籍にモノ言いをつけた。
「甲斐はソフトバンクに残留すべきだった」
 理由はこうだ。
「甲斐は育成ドラフトからソフトバンクに育ててもらった選手じゃないか。FAは選手に与えられた権利であることは、理解した上、あえて言うが、その恩義や感謝の気持ちはどこにいったのか。古い考えなのかもしれないが、甲斐は生涯ソフトバンクでプレーすべきだったし、その先に監督、指導者としてソフトバンクに恩返しすべきだったと思う」
 甲斐もその点で思い悩んだことを移籍合意時の声明でこう明かしている。
「今の自分があるのは、間違いなく、ホークスに育てていただいたおかげです。心から感謝していますし、今回も素晴らしい条件提示をいただき、本当にありがたい気持ちでいっぱいです。育成選手から支配下に這い上がるまでのきつく苦しかった努力の日々、チームメートと味わった勝利の喜び、ホークスで過ごした時間の全てが自分の財産であり、かけがえのない経験です。こうしたホークスでの全ての経験を思い返すたびに、本当にホークスを離れていいのか、自問自答を繰り返しましたが、今回、新たな経験をすることで野球選手としての自分をもっと高めたい、という心境に至り、移籍することを決めました」
 声明でも、この日の会見でも、繰り返しファンやチームメート、監督、コーチ、そして王貞治球団会長への感謝の言葉を伝えている。

 

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