「フェザー級転向はまだ先だが、2025年、2026年と続けてビッグマッチがある」神奈川県警「1日通信指令官」を務めた大橋会長が明かした井上尚弥の夢プランとは?
プロボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31、大橋)が所属する大橋ジムの大橋秀行会長(59)が9日、神奈川県警本部の「一日通信指令官」を務め、横浜駅前で、啓蒙活動への呼びかけやトークショーなどを行った。RONSPOの取材に応じた大橋会長は、1月24日に有明アリーナでサム・グッドマン(26、豪州)との延期になった防衛戦を控える井上の今年の戦いについて触れ「今年(2025年)、来年(2026年)と続けてビッグマッチがある」とファンへの初夢を届けた。海外ではフェザー級転向への待望論が根強いが、そのビッグマッチは「フェザー級転向ではない」という。果たしてモンスターにどんなビッグマッチが用意されているのか。
井上尚弥vs中谷潤人は2026年に実現
凛々しい制服姿が様になっていた。
歴代5人の世界王者を生み出し、現在は、井上尚弥、WBO世界バンタム級王者の武居由樹という2人の世界王者を擁する大橋ジムを30年にわたって、切り盛りしてきた大橋会長に、神奈川県全体を統括する「1日通信指令官」の役職は、どこかピッタリとあてはまっていた。
横浜駅東口の新都市プラザで、ミニトークショーに臨み、ボクシングとの出会いや、現役時代に手にしたWBA、WBC世界ミニマム級のベルトは、「目標ではなく、当たり前だ」との確信を持って挑んだ結果で、軽量級の体重を維持するため、「中学1年から28歳まで1日1食で過ごした」などの昔話や、指導者に転身した後に貫いてきた信念などの興味深い話を披露した。
大橋会長は、110番通報を受ける指令センターも見学したそうで、「よくこんな少ない人数で、神奈川県全域をカバーしていると思った。くれぐれも間違い電話だけはしないようにお願いします」と、つめかけた多くの県民に呼びかけた。
「一日署長は八重樫と一緒に昔やったことがあるんだけど、今日は、その上の指令官だからね。制服を着たのも初めてで、ちょっと緊張した。敬礼は左手はダメなんだってね。知らずにやっちゃった」
敬礼は、相手に敵意がないことを示すために右手でやるのが習わし。写真撮影の際に間違って左手で敬礼した大橋会長は、思わず苦笑いを浮かべた。
その後、RONSPOの取材に応じた大橋会長は、グッドマンとの防衛戦を15日後に控えたモンスターに2025年の戦いについての”指令”を発令した。
「グッドマン戦をクリアすれば、今年、そして来年と続けてビッグマッチがありますよ」
ファンにとって嬉しい初夢をプレゼントした。
「2025年と2026年ですね?」と、筆者が確認すると「そうです。みんなが望むビッグマッチ」と、うなずいた。
では、大橋会長がモンスターに指令するビッグマッチとは何なのか。
グッドマン戦の次に用意されているのは、米ラスベガスへの再上陸。時期は、4、5月で、共同プロモーターのトップランク社のボブ・アラム氏が米メディアに明かしているように最有力の対戦候補は、32戦31勝(17KO)無敗1分けでWBC同級1位のアラン・ピカソ(メキシコ)だ。まだ24歳の好戦的なメキシカン。メキシコの”東大”とされるメキシコ国立自治大学卒のインテリで、一発の怖さはないが、井上が過去に経験したことがないようなリズムや角度のパンチを繰り出してくる。井上とは”噛み合う”可能性がある。だが、トップクラスのボクサーとの対戦も少なくピカソとの戦いは、ビッグマッチとは呼べない。
この試合をクリアすると秋には、昨年、3年総額30億円の巨額契約を結んだ「リヤド・シーズン」によるサウジアラビアのリングに上がる計画が練られている。大橋会長の示唆するビッグマッチはここか。