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レアルが保有権を持つMF中井卓大が3部から4部へ“格落ち”移籍(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)
レアルが保有権を持つMF中井卓大が3部から4部へ“格落ち”移籍(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

悩める21歳の“逸材MF”中井卓大がスペイン3部アモレビエタから4部カンタブリアへ電撃レンタル移籍した理由とは?

 スペインの強豪レアル・マドリードに所属するMF中井卓大(たくひろ、21)が、同国4部リーグのラージョ・カンタブリアへ期限付き移籍すると、中井が所属するマネジメント会社が2日(日本時間3日)に発表した。今シーズンは3部リーグのアモレビエタへ期限付き移籍していた中井だが、昨年10月以降は先発から遠ざかったまま1日(同2日)に電撃退団していた。10歳でレアル・マドリードの下部組織に入団し、大きな期待を集めてきたはずの逸材は、4部の戦いから這い上がるきっかけをつかめるのか。

 保有権を持つレアル・マドリードとは6月末までの契約

 スペインの冬の移籍期間が閉まる3日を前に、中井が大きな決断をくだした。
 実質的な構想外になっていた3部のアモレビエタを電撃退団。去就が注目されていたなかで、マドリードを拠点とする中井のマネジメント会社「Roalza Sports」が公式X(旧ツイッター)を更新。中井の写真とともに、4部のラージョ・カンタブリアへ「彼は今シーズン終了まで、レンタル移籍してプレーする予定です」と投稿した。
 中井は今シーズンから期限付き移籍で加入したアモレビエタで、序盤戦でアンカーを主戦場にレギュラーの座をゲット。開幕から8試合続けて先発を果たしたが、怪我やチームの最下位低迷に伴う監督交代などで出場機会が激減。第9節以降は途中出場の3試合だけにとどまり、最後の4試合はベンチからも外れていた。
 アモレビエタとは今シーズン終了までの契約を結んでいたが、2日のアレンテイロとの第22節を前に突然の退団が発表された。アモレビエタはクラブの公式HPで、シーズン途中での中井の退団を次のように説明している。
「ナカイの期限付き移籍契約の終了について、レアル・マドリード側との交渉が合意に達したため、彼がチームから外れることになった。われわれはこれまでの彼の働きに感謝するとともに、今後の彼の幸運を祈っている」
 このまま時間が経過しても、アモレビエタにおける状況は変わらないと判断した中井側が、保有権をもつレアル・マドリードへ退団を要望。シーズン途中の再出発を期して、4部のラージョ・カンタブリアへの期限付き移籍へ切り替えたとみられる。
 滋賀県で生まれ育った中井は8歳のときに、レアル・マドリードが日本で主催したキャンプで優秀選手に選出。翌2013年にスペインで行われた最終テストに合格し、10歳で名門チームの下部組織に入った後も順調にステップアップしてきた。
 17歳以下のフベニールBに所属していた2020年10月には、英紙『Guardian』が選出した「世界で最も才能のある2003年生まれの若手選手60人」に名を連ねた。中盤で発揮されるテクニックとボールキープ力、視野の広さなどが高く評価された中井は、直後に各国代表選出や怪我人で手薄になったトップチームの練習にも参加した。
 翌2021年には19歳以下で構成されるフベニールAへ飛び級で昇格。2022-23シーズンからはプレーの場を3部に所属するリザーブチーム、レアル・マドリード・カスティージャに移したが、チームメイトたちのレベルが一気にはね上がったなかで、リーグ戦の出場は2試合、プレータイムはわずか5分にとどまった。

 

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