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ドラフト1位の竹田が三浦監督が見守る前で初ブルペン(写真・黒田史夫)
ドラフト1位の竹田が三浦監督が見守る前で初ブルペン(写真・黒田史夫)

横浜DeNAの“番長カーブ”継承ドラフト1位の竹田祐と150キロを出した2位の篠木健太郎は「9分の2」の激しい先発5、6番手争奪戦を勝ち抜くことができるのか?

 横浜DeNAのドラフト1位の竹田祐(25、三菱重工West)、2位の篠木健太郎(22、法大)、4位の若松尚輝(24、四国IL高知)の3投手が3日、沖縄・宜野湾キャンプで揃って初ブルペン入りした。完成形の竹田はカーブ、フォークの変化球にクイック投法まで披露。篠木のストレートは最速150キロをマークした。三浦大輔監督(51)も「元気だったことが一番」と順調なスタートを切ったルーキーに安堵したが、彼らは「9分の2」の激しい先発5、6番手争いを勝ち抜くことができるのか。“下剋上日本一”を手にした横浜DeNAがリーグ優勝を果たすための重要なキーポイントとなる。

 

ドラフト2位の篠木はいきなり150キロを出した

 完成形の竹田とポテンシャル引き立つ篠木

 ハマのドラフト3人衆が南国の沖縄とは思えぬ底冷えするような冷たい風が吹きつけるブルペンで躍動した。竹田、篠木、若松のルーキー3人が並んで約30球ずつ、捕手を座らせる本格投球を披露した。
 ドラフト1位の竹田は、完成形らしい初投げ。ゆったりとした独特リズムのフォームからステップ幅が狭く、踏み込んだ左足をテコにしてボールに力を伝えた。
 アマ時代の最速は153キロ。力を感じさせ、捕手のミットが大きく動くボールは少なかった。即戦力のドラ1にふさわしい、まとまりのある制球力。加えて、横から見ていて大きな落差がわかるカープ、スライダー、コントロールされて落ちたフォークも交え、セットポジションからのクイック投法まで見せた。履正社―明大―三菱重工Westのキャリアが示すようなルーキー離れしたプロ初ブルペンだった。
「緊張しました。力が入っていたと思います。生命線はカーブ。緩急がつくし、ストレートをより速く見せられるし、他の変化球も生きてくるので、カーブを大切にしています」
 近くで見守っていた三浦監督が、現役時代に生命線としていたのも大きな弧を描くカーブだった。42歳まで投げた三浦監督は、90キロ台の超スローカーブである“番長カーブ”を駆使して投球を立体化して打者を幻惑した。竹田のカーブは、超スローではないが、落差と思考は“番長カーブ”を継承するものだろう。
「ストライクゾーンで勝負できる球を磨き精度をあげていきたい」
 キャンプでのテーマ付けもしっかりとしている。
「キャンプ3日目でまだ何がなんだかわかりませんが自分のペースではできています」というのも社会人出のルーキーらしい。
 もう一人の篠木は、完成形の竹田とは対照的に、そのポテンシャルを存分にアピールした。豪快なワインドアップ投法。腕が縦に振れて、リリースポイントが捕手に近い球持ちの良さが目についた。ブルペン初日で最速は150キロをマークしたという。法大時代の課題は制球力だった。そこがプロで改善すれば、覚醒する可能性を秘めた右腕。何しろボールに勢いがある。また4位の若松は、札幌学院大の3年生で投手に転向したばかりの未完の大器。独立リーグでは最速152キロをマークしたストレートには伸びがあった。短いイニングでの起用イメージが膨らんだ。
 三浦監督は、「どこも悪いところがないから元気よく投げられている。この時期はそれでいい。細かいところを見ていくのは実戦に入ってからでいい」と、3人のルーキーにお披露目に対して慎重にコメントした。

 

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