![中日の金丸夢斗が2度目のブルペンで40球を投げ込むも実戦デビュー計画は白紙(写真・黒田史夫)](https://d3d3uiz760e42m.cloudfront.net/wp-content/uploads/2025/02/DSCF5221-1200x800.jpg)
中日“黄金ルーキー”金丸夢斗の実戦デビュー計画はまだ白紙も落合2軍監督は「直すところがない投手。自滅することがない」と絶賛
4球団が競合した中日のドラフト1位、金丸夢斗(22、関大)が5日、沖縄読谷の2軍キャンプで2度目のブルペン入りし、中腰の捕手を相手にすべてストレートで40球を投げた。まだリハビリメニューの段階。関大時代に腰を痛めていたこともあり、落合英二2軍監督(55)も、故障をしないことを最優先に実戦デビューの目標を定めずに調整を見守っているが「直すところがない投手。自滅することがない」と称賛した。
阪神の球団副本部長も視察
中日の1軍キャンプが休日だったことも重なってか、沖縄・読谷のブルペン横の取材スペースは、メディアや関係者で黒山の人だかりとなっていた。
ドラフトで中日、巨人、阪神、横浜DeNAの4球団が競合した黄金ルーキーの金丸が、2軍キャンプで2度目のブルペンに入った。捕手は、通常の位置よりも一歩前へ出て、膝を立てた中腰。金丸が、美しいワインドアップから右足を二度揺らす2段モーションでタメを作り、ボールをリリースすると、糸を引くような回転のいいボールがミットに吸い込まれた。数球だが力を込めたボールには威力があった。
30球を過ぎると「同じように投げられるか感覚を確認した」とセットポジションからも7球ほど投げた。
計40球。前回の立ち投げの20球から一歩前進した。
「球数の多さと、少し強度を上げて、少しローボールを意識した。(力の入れ加減は)6、7割くらい。感覚と体の調子をメインに、力感ではなく質のいいボールを投げることを意識していた。よくはなかったが、感覚はよくなっている。(しっかりと指にかかったボールは)5球くらいじゃないですか」
好投手の条件としてセルフチェックを行えることがあるが、金丸も踏み出すステップの幅や位置を気にかけていた。
「踏み出しの足の位置が一番(のチェックポイント)。まだ内側に入っている。真っ直ぐに踏み込んで、体の入れ替えを意識していきたい」
クレバーさがうかがえる。
ワインドアップ投法には「こだわりがある」という。
「体全体を大きく使う意識で体重移動を意識をしやすい。だが、プロに入ってどうなるかわからない。変えなきゃいけないとなっても心配はない」
プロでワインドアップの投手があまり見られない理由は、投球バランスもあるが、ほとんどが球種のばれるクセの問題。アマでもプロと変わらぬレベルで“クセ盗み”をしているが、やはり投球動作が増えれば増えるほどクセがでやすくなる。だから金丸も「無駄な動きのないセットに変えるかもしれない」と口にしたのである。
キャンプインから見てきた落合2軍監督も称賛した。
「方向性をつかむのがうまい。手を上げてきて、リリースポイントに持ってくる形もいい。何ひとつ無駄がない。直すところがない。ボール、ボールで崩れるピッチャーじゃない。(制球が)暴れることがないからね。打たれることはあっても自滅することはない。その感覚で見ている」
制球力こそ天性の素質と言われるが、金丸にはそれがある。
現役時代に最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得し、立浪和義前監督時代には、1軍ヘッド兼投手コーチを務めた落合2軍監督の見る目は確かだ。