• HOME
  • 記事
  • サッカー
  • 神戸リーグ3連覇に暗雲?!「戦える集団であることを見せねば上位も難しい」なぜ今季を占うス―パカップで広島に成す術もなく完敗したのか…過密日程と続出した故障者
神戸の大迫、武藤は後半途中出場したが不発に終わる(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)
神戸の大迫、武藤は後半途中出場したが不発に終わる(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

神戸リーグ3連覇に暗雲?!「戦える集団であることを見せねば上位も難しい」なぜ今季を占うス―パカップで広島に成す術もなく完敗したのか…過密日程と続出した故障者

 国内サッカーの新シーズン到来を告げるFUJIFILM SUPER CUPが8日、東京・国立競技場で行われ、昨シーズンにJ1リーグ、天皇杯の二冠を制したヴィッセル神戸が、リーグ戦2位のサンフレッチェ広島に0-2で完敗した。キャンプで怪我人が続出した神戸は控えや新加入組を先発させたが、ベストメンバーの広島に攻守で圧倒された。大型補強を行わず、現有戦力を底上げさせて狙う史上2チーム目のリーグ戦3連覇へ。初陣で喫した完敗は、過密日程が続く今シーズンへの暗雲を意味するのか。

吉田監督「単純に一人ひとりのパワーが足りなかった」

 ベンチ前のテクニカルエリアに立ちながら、神戸を率いる吉田孝行監督(47)は幾度となくメモ帳を取り出してはペンを走らせていた。
 日本代表の森保一監督(56)をダブらせる姿。昨シーズンに史上6チーム目のリーグ戦連覇を、天皇杯との二冠で達成した指揮官は、ベストメンバーをそろえた広島に攻守両面で圧倒される自軍の選手たちの課題を書き込んでいたのか。
 0-2の完敗を喫した直後の公式会見。放ったシュートがわずか1本に終わった前半に焦点をあてながら、吉田監督は今シーズン初の公式戦を総括した。
「前半から少し消極的だったというか、単純に一人ひとりのパワーが足りなかった。後半は選手交代で多少はパワーを出せたけど、チーム全体で今後の過密日程を乗り切っていくところで、まだまだ足りない部分が出てしまった」
 前年のリーグ戦と天皇杯の覇者が対峙するFUJIFILM SUPER CUP。2026シーズンからの秋春制移行に伴い、今回が最後の開催となる開幕直前の風物詩は、二冠を独占した神戸とリーグ戦2位の広島の顔合わせになった。
 雪辱を期す広島は、昨シーズンに得点ランキング3位タイの19ゴールをあげたFWジャーメイン良(29、ジュビロ磐田)とパリ五輪世代のMF田中聡(22、湘南ベルマーレ)の新戦力が先発。高校卒業を目前に控えるユース出身の18歳の逸材で、U-20日本代表にも名を連ねる中島洋太朗もボランチでフル出場した。
 顔ぶれが大きく変わった点では、神戸も同じだった。連覇を決めた昨シーズンの最終節で先発した選手のうち、この日も先発したのは新キャプテンのDF山川哲史(27)だけ。残る10人は昨シーズンの控えか、オフに加入した選手たちだった。
 もっとも、左サイドバックを務めた本山遥(25、ファジアーノ岡山)、左ウイングで抜擢された小池裕太(28、横浜F・マリノス)も、従来のレギュラー選手を脅かす位置づけとして白羽の矢を立てられ、王者の一員になったといっていい。
 吉田監督も「チャンスはそう簡単には回ってこない」と原則論を唱えたうえで、山川を除いた10人へ次のように言及した。
「ただ、現状では怪我人も出ているチーム事情もある。人数がそろっていない状況だからこそ、それぞれが自分の特徴を出してほしかったし、レギュラー争いに加わってくるような、気持ちのあるプレーを期待していた」

 

関連記事一覧