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広島のスーパールーキーの中村草太がまたやった!(資料写真・アフロスポーツ)
広島のスーパールーキーの中村草太がまたやった!(資料写真・アフロスポーツ)

とんでもないスーパー新人が出て来た!驚愕の3戦4発…広島FW中村草太の何がどう凄いのか…ACL2のナムディンFC戦で2ゴール決める…明大で得点王とアシスト王

 サンフレッチェ広島のスーパールーキー、FW中村草太(22、明治大卒)が公式戦で3試合連続ゴールをマークした。19日にホームの広島サッカースタジアムで行われた、ナムディンFC(ベトナム)とのAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)のラウンド16第2戦で先発した中村は、後半に2ゴールをゲット。広島の4-0の快勝と、2戦合計7-0でのベスト8進出に貢献した。12日の第1戦、16日のFC町田ゼルビアとのJ1リーグ開幕戦に続く3戦4発と大ブレーク中の逸材の素顔を追った。

 待望の初先発で結果残す

 スーパールーキーの勢いが止まらない。
 公式戦出場4試合目にして待望の初先発を果たした広島の中村が、ナムディン相手に2ゴールをマーク。直近の3試合で4発の大暴れを演じた。
 最初のゴールが生まれたのは、1点リードで迎えた後半9分。ボランチ川辺駿(29)のパスを呼び込み、右角からペナルティーエリア内へ侵入した直後に迷わずに右足を一閃。低く鋭い一撃をゴール左隅へ突き刺した。
 圧巻は同アディショナルタイムの46分。左サイドから上げられたクロスを相手キーパーが弾き、さらに相手選手が右足でワンタッチ。コースが大きく変わったボールの落ち際に、ポジションを取っていた中村が右足を合わせる。意図的に叩きつけられた一撃はワンバウンドして、再びゴール左隅へ吸い込まれていった。
 試合後のフラッシュインタビュー。中村は「本当はもうちょっと中に入っていなきゃいけないシーンでしたけど……」と断りを入れたうえでこう続けた。
「ちょっとあえて止まって、ボールがこぼれてくるところを予測して、上手くミートできたところがよかったと思っています」
 セオリーでは相手ゴール前へFW陣が真っ先に詰めていくべき状況で、非凡な得点感覚が中村をゴールからやや離れた場所で立ち止まらせていた。身長168cm体重64kgとサイズでは劣る中村を、卓越したスピード、相手ゴール前での動き出しの質の高さとともに、プロの世界で躍動させている武器がこの得点感覚となる。
 群馬県高崎市で生まれ育った中村は、先の全国高校サッカー選手権を制した強豪・前橋育英をへて明治大に進学。それまでのFWからサイドハーフ、さらにトップ下やインサイドハーフでプレーしながら、特異なプレースタイルを身につけた。
 決定力にチャンスメイク力を融合させた中村は、3年時の関東大学サッカーリーグで史上初めて得点王とアシスト王を同時に獲得する。複数のJクラブが卒業後の獲得に動いたなかで、昨年1月に広島の宮崎キャンプに参加。すぐにチームへ順応し、J2の大分トリニータとのトレーニングマッチではゴールも決めている。
 その後も他のJクラブの練習に参加したなかで、昨年5月末に広島入りが発表された。その理由を中村はこう振り返っている。
「チームのやりやすい雰囲気とスタイルに惚れた、というところです」
 特にスタイルに関して、前線からの連動したプレスを標榜する広島は、明治大の戦い方を発展させた点で大きな感銘を中村に与えた。キャンプに参加した時点で広島入りをほぼ決めていた中村は、4年時の関東大学リーグでも得点王とアシスト王を獲得。大学ナンバーワンアタッカーの肩書きとともにルーキーイヤーに臨んだ。
 しかし、トルコと宮崎で行われたキャンプ中の実戦では無得点。プロデビュー戦となった8日のヴィッセル神戸とのFUJIFILM SUPER CUP2025でも、後半途中から国立競技場のピッチに立ちながらシュートを1本も放てなかった。

 

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