
「誹謗中傷は論外だが新庄監督はファンの意見を代弁しただけ」「どっちもルール違反はしていない」プロ野球選手会が日ハム新庄監督の“上沢批判発言”にクレームをつけてSNSで波紋
プロ野球選手会がポスティングによるメジャー挑戦後にソフトバンクに移籍した上沢直之(31)に関する日ハムの新庄剛志監督(53)の発言が誹謗中傷につながったとのクレームをつけた。沖縄発で各紙が報道したものだが、SNSやネット上で大きな波紋を呼んでいる。新庄支持の意見が圧倒的だが、制度の見直しを求める声も広がっていて球界大御所の巨人OBでヤクルト、西武で監督を務めた広岡達朗氏(93)もその一人。ただ制度の見直しにはリスクもある。球界全体での議論が必要だろう。
上沢問題に関する影響力のある人の発言自粛を要求
選手会がいまだに燻る上沢のソフトバンク移籍問題に立ち上がった。
スポーツ各紙の報道によると、キャンプ中恒例の選手会とNPBの協議の中で、上沢が制度上何ひとつ違反を犯していないことを再度主張すると同時に、新庄監督の批判発言を示唆して、誹謗中傷につながる影響力のある人の発言の自粛を求めた。NPBが上沢擁護の姿勢を強く示さなかったことも疑問視したという。
上沢は2023年オフにポスティングにより、マイナー契約でレイズ入りしたが、開幕メジャーを勝ち取れず、レッドソックスに移籍し、5月にメジャー昇格したが、2試合に登板したのみで再びマイナー降格したため日本復帰を決断。日ハムの施設を使ってトレーニングを行っていたが、争奪戦の末、ソフトバンクと推定4年10億円とされる大型契約を結んだ。選手会の主張の通り、上沢は制度上なんら違反も犯していない。ただ1年で帰国することにより、国内でまだFA権を取得していなかった上沢が、事実上のFAでライバルチームへ移籍したことに対し日ハムファンの間から批判の声があがった。ポスティングによる譲渡金がわずか100万円程度だったことなども手伝い、上沢バッシングに火がついた。ファンの感情論だ。
そのタイミングで新庄監督が「悲しい」「育て方が違ったのかな」などと本音をぶちまけた。メジャー経験のある新庄監督は、マイナー契約でのメジャー挑戦の厳しさを身をもって知っていただけにマイナー契約ならばいくべきではないと移籍に反対していた。しかも上沢はあと1年NPBでプレーすれば国内FA権を獲得する。日ハムで1年プレーした後にFAでソフトバンクへ移籍すれば、批判もなかったのではという親心からの発言だった。SNSやネットでも「あの発言で批判の波が収まった」との指摘があったが、この発言は、誹謗中傷につながったというより、日ハムファンの意見を代弁したことで、むしろ上沢バッシングの空気は収束に向かった。
さらに新庄監督はその後の12球団の監督会議でも「ポスティングで行って1年でダメでソフトバンクに行くという、この流れはやめて欲しい」と訴えた。
日ハムでは同じくポスティングでメジャー挑戦した有原航平が2年プレーした後に帰国し、ソフトバンクへ移籍したという経緯があり、上沢の決断を批判したのではなく、現状のポスティングによるメジャー移籍がFA権取得の新しい“抜け道”となっている制度に問題提起しただけだった。
この選手会のクレームを受けてSNSやネット上で様々な意見が飛び交った。
「誹謗中傷は論外だが批判が出て当然」「新庄監督は日本ハムファンを代表して発言した。上沢個人への誹謗中傷ではなく制度の問題点を指摘している」「自由に発言できないのはおかしい」「選手会は自分たちの利益を主張しているだけ」「選手会の意見は正論だが、プロ野球はファンがあって成立していることを考えよ」
「上沢選手もルール違反していないけれど新庄監督の発言もルール違反ではない」
新庄監督の発言や行動を支持する声が圧倒的だった。
「制度を見直すべき」の意見も多くみられた。一方で「上沢選手の人生。その決断について周りがどうこういう必要はない」「選手の選択肢としてキャリアの中で最適な場所でプレーすることが重要」などの声もあった。