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井上尚弥と5月に米国ラスベガスで対戦予定だったピカソが挑戦を辞退…大橋秀行会長(右)はあきれて激怒(写真・山口裕朗)
井上尚弥と5月に米国ラスベガスで対戦予定だったピカソが挑戦を辞退…大橋秀行会長(右)はあきれて激怒(写真・山口裕朗)

「また井上尚弥から逃げた。考えられないよ」“モンスター”が5月3日に米国ラスベガスで対戦予定だった無敗のピカソが“敵前逃亡”で挑戦辞退…大橋会長はあきれて激怒…代役は別のメキシカンか

 プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(31、大橋)が5月3日に米国ラスベガスで対戦する予定だったWBC世界同級1位の“IQボクサー”アラン・ピカソ(24、メキシコ)が挑戦を辞退したことが明らかになった。勝算がないためピカソの父親が対戦辞退を申し入れたという。大橋秀行会長(59)は「考えられない」とあきれて怒り、今回の試合が、メキシコの記念日「シンコ・デ・マヨ」のウイークに行われる名誉ある一戦のため、共同プロモーターであるトップランク社は、現在、他のメキシカンボクサーを探しているという。

 挑戦辞退はピカソの父親の意向

 また敵前逃亡だ。
 5月3日に米国ラスベガスのTモバイルアリーナでモンスターと対戦する予定だったピカソが挑戦を辞退した。32戦無敗のピカソは「メキシコの東大」と言われるメキシコ国立自治大の現役医学部生で期待のホープとして人気のあるボクサー。驚くようなパンチ力はないが、スピードを生かした攻守万能型だ。
 5月3日は、ビッグマッチが組まれることの多いメキシコの記念日「シンコ・デ・マヨ」のウィークで、米再上陸する井上に挑むメキシカンのピカソに対して期待の声が高まっていたが、まさかの逃亡劇である。
 大橋会長は、怒りというより、むしろあきれていた。
「逃げたんだよ。一度、辞めると言ってきて、またやるとなったけど、やっぱり辞めるって。もう信じられないよね。メキシコ国内で『尚弥に1、2ラウンドで倒される』という声が強まって、父親がびびっちゃったらしい。最強のモンスターと戦える。しかもファイトマネーもかなりのものがある。プロボクサーとしてこんなチャンスはない。普通は喜んでやるでしょう?考えられないよ」
 大橋会長の説明によると、二転三転したあげくの逃亡劇で、辞退の背景には、ピカソの父親の意向が強く反映されているという。
「彼らの狙いは、井上が王座を返上したあとの決定戦で世界タイトルを取ることみたいなんだ。WBCの1位だから、このままランキングをキープしていれば、決定戦に出れるからね。最強のボクサーから逃げて世界タイトルを取ってそれに価値があるのかな。強いボクサーと戦いたいと思わないのかね」
 井上は来年に計画しているWBC世界バンタム級王者の中谷潤人(M.T)とのビッグマッチを終えるとフェザー級へ本格転向する考え。そこでスーパーバンタム級の4つのベルトが宙に浮き、それぞれに王座決定戦が行われることになるが、井上との試合を回避した24歳のピカソはそこにターゲットを絞っているという。
 たとえ井上に敗れてもその敗戦を教訓に世界再挑戦を狙えばいいだけの話。もし井上に善戦でもすれば評価はグンとアップする。しかも、世界チャンピオン級のファイトマネーが用意されているというのに、挑戦を辞退するのはよほど負けるのが嫌か、井上戦でボクサー生命を絶たれるほどのダメージを負うことでも心配しているのだろうか。

 

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