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井上尚弥から“敵前逃亡”したピカソが「オレは逃げていない」と釈明(写真:USA TODAY Network/アフロ)
井上尚弥から“敵前逃亡”したピカソが「オレは逃げていない」と釈明(写真:USA TODAY Network/アフロ)

「オレは井上尚弥から逃げていない」モンスターから“敵前逃亡”した5.4米ラスベガス決戦の最有力候補だったWBC1位ピカソが「正式な契約オファーは受けていない」と苦しい釈明

 プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(31、大橋)と5月4日に米ラスベガスのT-モバイルアリーナで対戦予定だったWBC世界同級1位のアラン・ピカソ(24、メキシコ)が、WBCの定期イベント「コーヒー・チューズデー」に出演して「オレは逃げていない」と苦しい釈明を行った。メキシコのボクシング専門メディア「IZQUIERDAZO」などが伝えたもの。ピカソは「井上と戦いたい」と熱望した。当初、ピカソは最有力候補だったが、陣営から挑戦辞退の申し出があり、白紙に戻り、WBA世界同級2位のラモン・カルデナス(29、米国)との対戦が有力となっている。

 「井上戦は金ではなくオレの人生を試すものなんだ」

 “敵前逃亡”の汚名を着せられたことが我慢ならなかったのか。
 5月4日に米国ラスベガスのT―モバイルアリーナで行われる井上の防衛戦の最有力候補でありながら、陣営が挑戦を辞退したピカソが吠えた。WBCの定期イベント「コーヒー・チューズデー」に出演して激白したもの。
「その試合については、いろいろな憶測が飛び交っている。まず第一に私は逃げていないし、あの試合(井上戦)を望んでいる。(井上との)ハイレベルな試合をする準備はできているんだ」
 ピカソは32戦無敗のメキシカン。「メキシコの東大」と言われるメキシコ国立自治大の医学部に在学しているエリートで、メキシコ国内で人気があり、WBCの指名挑戦者で、5月4日が数々のビッグマッチが開催されてきたメキシコの記念日「シンコ・デ・マヨ」ウィークにあたることから白羽の矢が立った。
 だが、国内外で関係者や専門家などから「今のピカソなら1、2ラウンドで倒される」との厳しい声が聞こえてきたため、父親が恐れをなして挑戦辞退をプロモーターに伝えたとされる。
 まだ24歳。将来的に井上がフェザー級へ転級してスーパーバンタム級の4つのベルトを返上した際に、まずその世界のベルトを狙うプランへ方針が変更された。
 だが、ピカソはそもそも正式な対戦オファーがなかったと力説する。
「『試合が近づいている』とソーシャルメディアに投稿したが、契約は結ばなかったんだ。“これと、これ”というような正式な契約書をもらったことはない。どうして、私が辞退したというニュースが流れたのかわからないんだ」
 大橋ジムの共同プロモーターであるトップランク社が正式な対戦オファーを出していたことは間違いないが、最終サインはしていなかったのだろう。すべての交渉が父親とプロモーターの間で進められ、ピカソ自身は蚊帳の外だったという可能性は十分にある。条件などの話に選手には首を突っ込ませないのは“プロボクシング業界あるある”。だが、たとえ陣営の決断だったとしても、ファンや井上陣営からすれば、ピカソが「逃げた」としか受け取れない。

 

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