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広島がACL2で出場資格のなかった新外国人ヴァレール・ジェルマン(左から2人目)を出場させたことで没収試合処分を受ける(写真・日刊スポーツ/アフロ)
広島がACL2で出場資格のなかった新外国人ヴァレール・ジェルマン(左から2人目)を出場させたことで没収試合処分を受ける(写真・日刊スポーツ/アフロ)

誰が悪い?クラブ謝罪も「ミスが起きた経緯を知りたい」の声…なぜサンフレッチェ広島のACL2没収試合問題が起きたのか…賞金の半分約1200万円もパー!

アジアサッカー連盟(AFC)は8日、サンフレッチェ広島が6-1で大勝した5日のAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)準々決勝第1戦を没収試合とし、対戦相手のライオン・シティ・セーラーズ(LCS、シンガポール)の3-0の勝利扱いにすると発表した。第1戦で途中出場してデビューを果たし、初ゴールも決めた新外国人FWヴァレール・ジェルマン(34)に、出場資格がなかった競技規則違反が判明。広島側も処分を受けて声明を発表し、確認が不十分だったと謝罪した。まさかの事態はなぜ起こったのか。

 「確認が不十分であったため出場停止対象者を出場させてしまった」

 会心の勝利が一転して没収試合となった。
 ホームの広島サッカースタジアムにシンガポール王者のLCSを迎えた、ACL2準々決勝第1戦を6-1で制してから3日。大会を主催するAFCが第1戦を没収試合にすると発表し、結果もLCSの3-0の勝利扱いに変更された。
 同時に広島はAFCから、1000ドル(約14万8000円)の罰金を科された。さらにベスト8進出を決めた時点で広島が受け取る賞金16万ドル(約2368万5000円)のうち、半分の8万ドル(約1184万2500円)が支払われなくなった。
 敵地に乗り込む12日の第2戦へ大きなハンデを背負った広島は、クラブ公式HPと同X(旧ツイッター)上で緊急声明を発表。AFCから科された懲罰を受け入れるとともに、次のコメントを介してクラブとして謝罪した。
「今回の事案について確認が不十分であったため、出場停止対象者を出場させてしまったことについて、皆様に多大なご心配、ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。今後このような事態が起きぬよう、再発防止に努めると共に、関係各所と連携して取り組んでまいります」(原文ママ)
 サッカー界を騒然とさせた、まさかの事態はなぜ起こったのか。
直接的な理由はLCSとの第1戦の後半23分から途中出場し、6分後の同29分には広島の5点目となる来日初ゴールを決め、U-21など年代別のフランス代表に招集された経験をもつ新外国人のジェルマンにあった。
 2月27日に広島への加入が発表された34歳のジェルマンは、前所属クラブのマッカーサーFC(オーストラリア)でプレーしていた昨年2月に、ACL2の前身となるAFCカップで敗退した後に相手選手を平打ちしている。
暴力行為はその場では確認されず、レッドカードも提示されなかった。しかし、試合映像がチェックされた結果、AFCから追って3試合の出場停止処分を科された。しかし、マッカーサーがその後、AFCが主催する国際大会に出場していなかった関係で、処分を消化していない状態で広島へ完全移籍していた。
 AFCの規定に基づけば、たとえ所属クラブが変わった場合でも、AFCカップを引き継ぐ形で2024-25シーズンからスタートしたACL2のLCS戦で、ジェルマンは出場停止期間中だった。広島に競技規則違反の疑いがあると前日7日に指摘していた、シンガポールメディアの『THE STRAITS TIMES』はこう伝えていた。
「AFCの懲戒・倫理規定では、出場停止処分は『同じカテゴリーのサッカーの大陸大会における、個人の次の公式クラブの試合』に持ち越されると規定されている。不適格な選手が出場した場合、試合は0-3の敗戦として没収される」

 

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