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NYコミッションはガーボンタ・デービス(左)の疑惑のダウンを認めたがドローの判定結果は覆さず(写真・AP/アフロ)
NYコミッションはガーボンタ・デービス(左)の疑惑のダウンを認めたがドローの判定結果は覆さず(写真・AP/アフロ)

「驚きはしないが少しガッカリ」NYコミッションが“最狂”デービスの“疑惑のダウン”を認めるもドロー結果は覆さず…控訴したローチは不可思議裁定にも“大人の対応”で再戦目指す

 米ニューヨーク州アスレチックコミッションは9日までにWBA世界ライト級王者のガーポンタ“タンク”デービス(30、米国)が“疑惑のダウン”でWBA世界スーパーフェザー級王者、ラモント・ローチ(29、米国)と辛くも引き分けた世界戦(2日・NYバークレイズセンター)の判定結果が変わらないとの裁定を下した。ローチ陣営が、弁護士を通じて控訴していたもの。コミッションは、9ラウンドにデービスが自ら膝をついたダウンをノーダウンとしたレフェリーの判断は間違いだったと認めたが、無効試合にするなど判定結果を覆すことはしなかった。ローチは「驚いてはいないが、少しガッカリだ」とXに投稿した。

 レフェリーのミスは認める

 

 大騒動となったデービスvsローチのドロー判定の再検証に不可解な結論が下された。ローチ陣営は、弁護士を通じて9ラウンドの疑惑のダウンとドローの判定結果への異議申し立てをこの試合を統括していたNY州アスレチックコミッションに対して行った。コミッションは、再検証を行い、「ローチがノックダウンを取ったと判断されるべきで、レフェリーのスティーブ・ウィリスは、間違いを犯したが、それは、ドローの結果を変えるには至らなかった」との結論を7日(日本時間8日)ローチ側の弁護士に通知した。
 米専門サイト「ボクシング・シーン」がスクープし、米老舗誌「ザ・リング」など複数のメディアが続けて報じたもの。
 問題のシーンは9ラウンドだった。30勝28KOと驚異のKO率を誇り、“最凶”と恐れられているデービスに対して、勇気ある前進を続けて大善戦どころかポイントでは、ほぼ互角の展開に持ち込んでいたローチが左ジャブを放った。パンチを浴びたデービスは、右目をしかめ次の瞬間、自ら右膝をついたのだ。レフェリーのスティーブ・ウィルスは、最初はそれをダウンと認めてカウントを始めた。デービスはコーナーに戻り、セコンドへ何やらわめきタオルで髪の毛と顔を拭かせ、理由を訴えるとレフェリーはカウントをやめてダウンを取り消したのである。
 ローチは「なんでやめたんだ?カウントを続けてくださいよ」と猛抗議したが、レフェリーは聞き入れず、デービスの言い訳に理解を示した。デービスは残り時間で猛攻撃し、ジャッジの2人はこのラウンドで「10―9」とデービスを支持した。結局、デービスはローチを仕留めきれず、試合は判定へもつれこみ、採点は115-113のデービス支持が1人、114-114が2人でドローとなった。もしダウンを認めて、このラウンドが、デービスの「8-10」となっていれば、判定は逆転し、デービスは、キャリア初の黒星を喫していた。
 この試合には、インスタントリプレーが採用されており、こういう問題が起きた場合、スーパーバイザーがリングサイドの映像ですぐさまダウンか否かを検証するのだが、その映像機器にトラブルが起き、その場で検証ができず、レフェリーのダウンを認めないというリング上での判断を支持することになったという。

 

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