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阪神の門別啓人がカブスを5回パーフェクトに抑えた(写真:Imagn/ロイター/アフロ)
阪神の門別啓人がカブスを5回パーフェクトに抑えた(写真:Imagn/ロイター/アフロ)

なぜカブスは阪神20歳の門別啓人に5回パーフェクトを許し完封負けを喫したのか…米メディアの分析は「NPBの飛ばないボール」「日米ルールの違い」「データ不足」

 カブスと阪神のプレシーズンゲームが15日、東京ドームで行われ阪神が3-0で完封勝利した。先発の門別啓人(20)が5回をパーフェクト。近本光司(30)、前川右京(21)、佐藤輝明(26)のタイムリーで奪った3点を育成出身のルーキー工藤泰成(23)らのリレーで3安打に封じて守りきった。米メディアが分析したカブス敗因の理由とは?

 鈴木誠也「まとまりがあってカブスは全然打てなかった」

 まだプロで1勝もしていない20歳の左腕が昨季のナ・リーグ中地区2位で終盤までポストシーズン進出争いをした名門カブスを手玉にとった。なんと5回までパーフェクト。外野フライ6、内野フライ2、内野ゴロ5、三振2の内容だった。
「真っ直ぐで押していけていた。『しっかりとコース、コースに』と梅野さんからの指示があって、そこに投げて、こうなって嬉しい。あっというまの時間。緊張感もなく素直に楽しめたので良かった」
 試合後の代表会見に呼ばれた門別も満足気だった。
 練習試合、オープン戦を通じてこれで6試合連続で無失点。
 かつてカブスでプレーしたOBでもある藤川球児監督も「彼のキャリアの中で急に訪れたビッグチャンス。自信になったんじゃないか」と目を細めた。
 藤川監督は広島との開幕第2戦に門別を抜擢するプランを持つ。
 2番DHで先発出場した鈴木誠也は、2打席対戦して、いずれもセンターフライに終わった。4回の一打はいい当たりだったが門別のストレートに押し込まれた。
「対戦したことはないが。いいピッチャーだとはずっと聞いていた。実際立ってみても良かったですし、まとまりがあってカブスは全然打てなかった」
 鈴木はそう門別を称賛した。
 クレイグ・カウンセル監督も門別の制球力を称えた。
「ストライクを多く投げて来て打たされた。タイミングで苦しんだ。彼がストライクを先行してきたのが大きな敗因」
 阪神は、6回から新外国人のネルソン、育成出身のルーキー工藤、2年目の石黒佑弥、最後はストッパーの岩崎優とつないで完封リレー。工藤は、154キロ表示のストレートを連発させ、鈴木に三遊間を破るヒットを許したが、2023年の打点王で今オフにアストロズから鳴り物入りで移籍したカイル・タッカーの内角を攻めて三振を奪うなど、3つのアウトはすべて空振り三振だった。
 米メディアはカブスの敗因分析に躍起になった。
 米スポーツサイト「マーキースポーツネットワーク」は、「阪神戦の敗戦から学んだこと」との見出しをとり、3つのポイントを指摘した。
 一つ目は、東京ドームの「衝撃的な雰囲気」。カブスの攻撃時には静まりかえり、阪神の攻撃になると大騒ぎ。しかも、選手一人ひとりに応援歌がある日本特有の応援スタイルが作りだすムードは彼らにとっては驚きだったのかもしれない。 
 だが、これは「シカゴサンタイムズ」がカブスの先発を務めたメリーウェザーの「観客の声援のエネルギーが好きだった。つまり言葉の壁が役に立った。なぜなら彼らが何を言っているのかわからなかったから。でもそれは良いエネルギーだったので、それを糧にしていた」とのコメントを紹介するなど、試合の趨勢に、大きな影響を与えたとは思えない。

 

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