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井上尚弥とWBAフェザー級王者のニック・ボールはSNSでやりあった(写真・山口裕朗/ロイター/アフロ)
井上尚弥とWBAフェザー級王者のニック・ボールはSNSでやりあった(写真・山口裕朗/ロイター/アフロ)

井上尚弥とSNSでやりあったドヘニーを蹴った”暴れん坊”WBA王者ボールを大橋会長が「1回から打ち合いになる」と大歓迎…「武居由樹がローキック対策の指導をしなきゃ」のジョークも

 プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(31、大橋)と、12月にサウジアラビアで対戦計画が練られているWBA世界フェザー級王者、ニック・ボール(英国)とのユーモアに富んだSNSバトルが話題になっている。大橋秀行会長もそこに参戦。打撃戦必至のボール戦を大歓迎した上で、10回TKO勝利したTJ ドヘニー(アイルランド)に蹴りを見舞ったことに触れて17日、5月28日の防衛戦を発表した元K-1王者であるWBO世界バンタム級王者、武居由樹(28、大橋)からローキック対策を学ぶというジョークでビッグマッチの盛り上げに参加した。

「2つの拳があれば十分だ」vs「実現させてそれを確かめようぜ」

 英国リバプールで日本時間16日の午前にボールがTJドヘニーを10ラウンドTKO撃破した防衛戦の波紋が意外な展開を見せた。
 試合後に井上がXに「ボール君面白いやつだ とりあえず蹴っちゃダメだよ! 」と投稿すると、なんとボール自身が「When you’re ready to kick it at 126lbs let me know(126ポンドで戦う準備が出来たら教えてください)」と拳マークをつけてリプライしてきたのである。
 ボールはドヘニー戦の1ラウンド終了間際にフロントネックロックに首を固められたことにむかついたのか、ゴングが鳴り、ドヘニーが手を放して背を向けると、そのふくらはぎにローキックを御見舞したのだ。いわゆるカーフキック。ドヘニーはマウスピースを吐き出してその場でダウン。立ち上がった際に足を引きずったが、レフェリーは 反則負けを宣告することもなく減点もとらなかった。ボールは9ラウンドにも首投げでドヘニーをキャンバスに叩きつけ、さすがに、この時は減点をとられた。
 井上は、そのボールのリプライにこう英語で返信した。
「Two fists are enough for me(2つの拳があれば十分だ)」
そこに拳マークを2つ。
 すると、さらにボールが「Let’s make it happen and find out then(実現させてそれを確かめようぜ)」と煽ると、井上もまたこう英語でリプライした。
「until that day comes, let’s increase each other’s value(その日が来るまでお互いの価値を高めていこう)」
 SNSの応酬での前哨戦は、井上の圧勝だろう。ユーモアにあふれ、最後に真意あるメッセージを伝えた。
 さらにその前哨戦に参戦したのが、この日、WBO世界バンタム級王者、武居由樹の延期されていた防衛戦と、IBF世界スーパーフェザー級王座決定戦に挑む力石政法(共に大橋)のダブル世界戦の記者会見に出席した大橋会長だ。
ボールvsドヘニー戦の印象を聞かれ、「ドヘニーは頑張っていたけど、 あの蹴りは酷いね。井上は(ローキックの)カットを覚えなきゃダメだねえ」とユーモアを交え「武居がローキック対策の指導をしなきゃ」とジョークを重ねた。
 武居は元K-1王者。たとえボールが井上にカーフキックを見舞ってきても、その対策を事前に伝授することができるというわけである。
 実際、ボールは試合後に控室で、この1ラウンドの暴挙について聞かれ「子どもの頃にやっていたムエタイのクセが出た。ドヘニーは(会見、計量から)無礼な態度を続けていたのでイライラが溜まっていたし、奴が先にヘッドロックという汚いことをしてきたから、やり返した、奴はその代償を払ったんだ」という言い訳をしていた。
 井上が5階級制覇を狙って1階級上のボールに挑むこの試合は、12月にサウジアラビアで計画されている。井上は昨年3年30億円の異例の大型スポンサー契約を「リヤドシーズン」と結んだ。試合の契約義務は、その中に含まれていないが、総合娯楽庁のトゥルキ・アルシェイク長官が「リヤドシーズン」の第1弾として、ファン待望のフェザー級王座への挑戦試合を計画したわけである。

 

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