
「必ず勝って1年でも1試合でも長く続けられるように」36歳の井岡一翔が5月11日にWBA王者マルティネスと“仕切り直し”再戦…勝てば国内最年長世界王座奪取記録を更新「超えたい」
プロボクシングの元4階級制覇王者の井岡一翔(36、志成)が5月11日、東京・大田区総合体育館でWBA世界スーパーフライ級王者のフェルナンド・マルティネス(33、アルゼンチン)に挑戦することが26日、都内のABEMAで発表された。井岡は、昨年7月7日にWBA王者として当時のIBF王者のマルティネスと王座統一戦を戦ったが、0-3の判定負け。昨年の大晦日にダイレクトリマッチが組まれたが、王者のインフルエンザ感染により試合前日に中止となっていた。
執念のリベンジ
無料ライブ配信するABEMAがつけたキャッチフレーズは「執念のリベンジ」。
紆余曲折したマルティネスとの再戦が5月11日に決まった井岡は「試合での見栄え的にも、気持ち的にもビシっとしていたい」と短く刈り込んだ金髪に黒いスーツで会見に臨んだ。
「大晦日が中止になって、この試合が発表できること信じて日々トレーニングすることしかできなかった。気持ちとしては難しいがボクシングを続けることも、決めた気持ちにも変わりはなかった」
井岡は実現に尽力した人々への感謝の言葉を忘れていなかった。
昨年7月7日の統一戦で判定負けを喫したマルティネスとのダイレクトリマッチが昨年大晦日に決まりながらも、王者がインフルエンザ感染による体調不良で前日計量の日に“ドタキャン”。井岡は途方に暮れることになった。
陣営はすぐさま再度マルティネス戦の実現に動いたが、大手プロモート会社のマッチルームが契約しているWBC世界同級王者のジェシー“バム”ロドリゲス(米国)とマルティネスの統一戦を画策して“横ヤリ”を入れてきた。マッチルームのリークで海外メディアでは決まってもいない試合が断定的にも報じられた。
だが、井岡の気持ちにブレはなかった。
「7月に敗戦してから彼と戦いたいという気持ちが一番強かった。それが中止となりすべてが白紙になったと思っていた。何か違ったチャンスでもあれば挑戦したかったが、彼が僕との試合を望むならそれが最優先だった。マッチメイクの難しさがあり簡単ではないと思っていたが、ダイレクトで戦いたい気持ちは変わらなかった」
オンラインでアルゼンチンから会見に参加したマルティネスは、井岡戦以外の具体的なオファーについては語らなかったが「とても井岡と戦いたい気持ちでいっぱいだった。日本でやるメンタルでいた」と、自分の健康管理不足で中止となった井岡戦にフォーカスしていたことを明かし「再び、日本で戦争するをつもり。1戦目以上の激しい試合をしたい」とアニメのキャラクターのポーズで意気込んだ。
インフルエンザから完全に回復して練習を再開したのは1月末だったという。
スーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(大橋)も、対戦相手のサム・サム・グッドマン(豪州)の目のカットで昨年12月24日に予定されていた防衛戦が1月24日に延期となり、さらに直前にグッドマンが怪我を再発させ、対戦相手がキム・イェジュン(韓国)に変更される事態となり、少なからず、その延期や対戦相手変更の影響があったことを試合後に告白していた。