
「時間の少なさを考えれば満足」日本GP角田裕毅のレッドブル“デビュー”は12位もホーナー代表は合格点…降格ローソンを抜き海外メディアも「信じられないほど大きな仕事をした」
F1の日本GP決勝が6日に鈴鹿サーキットで行われ、直前にレッドブルへ昇格し、14番手でスタートした角田裕毅(24)は12位でデビュー戦を終えた。角田と入れ替わってレーシングブルズへ降格したリアム・ローソン(23、ニュージーランド)を1周目で追い抜いたが、目標の入賞に届かなかった。しかし、クリスチャン・ホーナー代表(51)が「トータルの時間の少なさを考えれば満足している」と発言するなど、合格点を与え、海外メディアも芝生火災が続発した公式予選が響いたとして好意的に伝えた。なお同僚マックス・フェルスタッペン(27、オランダ)がポール・トゥ・ウインで通算64勝目を挙げた。
角田は「非常に複雑な気持ち」
ハイライトはオープニングラップでいきなり訪れた。
進入時と脱出時のコーナー角度が異なる難所で、ドライバーの腕が試される鈴鹿サーキット名物のスプーンカーブ。14番手スタートの角田が前方を走る13番手のローソンをオーバーテイクし、いきなり順位をひとつ上げた。
角田もローソンも、路面へのグリップ力と耐久力を兼ね備えたミディアムタイヤでスタートした。ドライバーの力量が問われた状況で、ローソンの母国ニュージーランドメディアの『The New Zealand Herald』によれば、最終的には順位を17番手に下げてフィニッシュしたローソンが、特にオープニングラップを悔やんだという。
「タフなスタートだった。特にオープニングラップは本当にトリッキーだった」
しかし、角田に次のハイライトは訪れなかった。
レッドブルへ昇格して以来、さまざまな面で比較されてきた“因縁”のローソンを追い抜き、23周目のピットストップではアルピーヌのピエール・ガスリー(29、フランス)もかわした。さらにアストンマーチンのフェルナンド・アロンソ(43、スペイン)を果敢に追い詰めたが、1秒068差の12位でチェッカーを受けた。
英国のモータースポーツ専門メディア『AUTOSPORT』によれば、目標に掲げていた入賞(10位以内)を逃し、ポイントを獲得できなかった角田が、レース後に「非常に複雑な気持ちだ」と語ったという。
「自分のパフォーマンスに関しては満足しているが、もっといい結果を期待していたし、少なくともポイントを獲得したかった。その意味では、ホームで開催されたグランプリでこのような結果になったのは非常に厳しい」
優勝したのは同僚のフェルスタッペン。前日5日の公式予選で、ポールポジションをコースレコードで獲得していたレッドブルのエースドライバーは、スタートから一度もトップを譲らないポール・トゥ・ウインで、5年連続のドライバーズ王者を狙う今シーズンにおいて、3戦目にして初勝利をゲットした。
通算64勝目で、日本GPでは4連覇。F1専門メディアの『PLANETF1.com』によれば、日本GPで極めて小さなリアウイングを装着し、車体の不安定さを承知の上でスピードを求めたフェルスタッペンと同じセッティングを、角田が5日の公式予選を前にして見送ったという。チーム内のやり取りを、角田は次のように語っている。
「正直に言えば、FP3(フリー走行3回目)の後に、マックスと同じくらい(リアウイングを)低くしようと考えていた。しかし、芝生火災で赤旗中断が続いた影響で時間があまりなかったため、同じウイングのままでいきたいと思うようになった」