
「傑出していた」菅野智之のメジャー初勝利の理由をハイド監督やチームメイトが明かす「すべての球種が自在に機能」「ストライク先行の投球で守りやすい」
海外FAで巨人からオリオールズに加入した菅野智之(35)が5日(日本時間6日)、敵地のカウフマン・スタジアムで行われたロイヤルズ戦に先発し、6回途中までに89球を投げ、5安打4奪三振1失点の好投でメジャー初勝利を手にした。チームは菅野を援護し8-1で勝利。連敗も3でストップし、メジャー流のビールやケチャップを浴びる祝福を受けた。ブランドン・ハイド監督(51)や捕手のゲーリー・サンチェス(32)らから称賛の言葉が並んだ。
ストライク率は66%。監督はスプリットを絶賛
待望のメジャー初勝利を手にした菅野にメジャー流の祝福が待ち受けていた。
MLB公式サイトによると、ロッカーで洗濯用のカートに押し込められた菅野は、ビールシャワーだけでなく、ケチャップやマヨネーズまで浴びせかけられたという。ハイド監督は、「今彼のために選手たちが喜んでいる。彼は今(洗濯)カートの中にいると思う。彼はクラブハウスで握手の列ができて興奮していた」と、その様子を伝えた。
同サイトによると、菅野は「特別な事だが、1勝するのを目標に来ていない」と、らしいコメント。
「毎試合勝つこと、チームが最終的にチャンピオンシップを手に入れるためにここにいる。本当に祝福してもらっているんだなという気持ちがした。ここで成功したいという気持ちになった」
続けて喜びを語った。
極寒のカンザスシティで菅野のジャイアンツ仕込みの投球術が冴えた。
1回、2回と連続三者凡退でスタート。3回二死からカイル・イズベルに中前打を許し、続くジョナサン・インディアに四球を与えて一、二塁のピンチで、昨季の首位打者で、ロイヤルズ史上最高額の11年2億8770万ドル(約423億円)で契約を結んだボビー・ウィットJr.を迎えた。初球のスライダーが暴投となり二、三塁となったが、外角のボールゾーンにスライダーでタイミングを外して一塁ゴロに仕留めた。
勝利投手権利のかかった5回にも連続ヒットで無死一、二塁のピンチを作ったが、マイケル・ガルシア、イズベル、インディアと3者を連続フライで終わらせて無失点に切り抜けた。
6回は、打線が4点の援護点。6-0とリードを広げてくれたが、打者一巡の長い攻撃で菅野の体が冷え込んでしまった。先頭のウィットJr.に高めに浮いたカーブをレフトスタンドに放り込まれ、一死一、二塁となったところで89球で降板を告げられた。その後、チームはさらにリードを広げて、35歳5カ月の菅野が、2戦目の先発でメジャー初勝利を手にした。先発では高橋尚成(メッツ)の35歳1カ月を抜く日本人最年長記録だ。
チームからは称賛の言葉があふれた。
地元の専門サイト「ボルチモア・ベースボール」によると、指揮を執って7年目になるハイド監督は、「彼は今日はるかに心地よくやっていたように見えた。おそらくトロントでの初先発では少し神経質になっていたと思う。全ての投球がスプリングトレーニングで見せていたような優れた制球だった」と称えた。
菅野は3月30日(日本時間31日)に敵地トロントでのブルージェイズ戦でデビューしたが、4回73球を投げ、4安打2失点で、手に痙攣をおこし緊急降板していた。
ハイド監督はさらに「スプリットは本当に素晴らしかった。直球も制球できていた。全ての球種だ。どのカウントでもあらゆる球を投げることができ、打者のタイミングを外していた。彼は今日、明らかに傑出していたと思う」と続けた。