
「破壊的パワーで井上尚弥を痛い目にあわせる。世界に衝撃を」5.4米ラスベガスでモンスターと対戦するWBA1位カルデナス陣営が豪語…ウーバー、宅配ドライバーからのアメリカンドリームを狙う
プロボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者、井上尚弥(32、大橋)5月4日(日本時間5日)に米ラスベガスのTーモバイルアリーナで戦うWBA1位のラモン・カルデナス(29、米国)と、名トレーナーとして知られるジョエル・ディアス氏(52)が「破壊的パワーで痛い目にあわせる」などと豪語した。主催するトップランク社の公式HPが伝えたもの。カルデナスはUberなどのライドシェアタクシーや宅配ドライバーをしてチャンスを待っていたという。アメリカンドリームを夢見て井上とのビッグマッチへ挑むことになる。
「井上と戦うための最高のバージョンを準備」
ラスベガスのT―モバイルアリーナでモンスターに挑むカルデナスが“大番狂わせ”を狙っている。メキシコの戦勝記念日である「シンコ・デ・マヨ」ウイークにこのファイトをプロモートしたトップランク社が11日、公式HPでカルデナスと、陣営のディアストレーナーのインタビューを掲載した。
カルデナスは「前回の試合の1週間後に電話がかかってきて、マネージャーのマイケル・ミラーから『井上と対戦しないか』と言われたんだ。こんなチャンスは滅多にないから飛びつくしかなかった。井上と戦うために長い間、精神的にも準備をしてきた。勝ち続けていれば、いずれビッグファイトができると思っていた。そしてこうして、誰もが認める世界王者との一戦が実現したんだ」と経緯を明かした。
当初の対戦相手は、WBC1位で現役の医大生であるアラン・ピカソ(メキシコ)だったが、親が「1ラウンドで終わる」という周囲の声に怖気づいて挑戦を辞退した。代役に指名されたのがカルデナスだった。
「井上は4年ぶりのアメリカでの試合だから、やる気満々だと思う。私は井上に対抗するための最高のバージョンを準備している」
カルデナスは27戦26勝(14KO)1敗のボクサーファイター。
「地獄のパンチを持つ男」の異名を持ち、3戦前になる昨年2月にはWBC中米カリブスーパーバンタム級王座決定戦でイスラエル・ロドリゲス・ピカソ(メキシコ)の顎を右のカウンターで粉砕して6ラウンドTKO勝利した。前戦は2月のブラインアン・アコスタ(メキシコ)戦で、テンプルにパンチを浴びてプロ初のダウンを喫したが、なんとか3-0判定で勝ち切った。アコスタは、井上がWBO&WBC世界スーパーバンタム級王者、スティーブン・フルトン(米国)へ挑戦する際のスパーリングパートナーだった。
カルデナスは現在WBAの1位だが、名の通った実力者や世界挑戦経験もなく、前評判は、絶対不利。某ブックメーカーは、井上勝利が0.02倍、カルデナス勝利が10倍というオッズをつけているほど。トップランク社は「彼はアンダードッグのマインドを受け入れている」とも記した。
カルデナスは置かれた立場を理解した上でこう熱く語った。
「このような試合や瞬間は、人を苦しめるものだと私も理解しているけどリングは変わらない。海の真ん中に置くことも砂漠の真ん中に置くこともできる。リングはリングだ。私はそのように考えて、この試合の重大さを理解している。私はそういう戦いの瞬間を求めたんだ」
大番狂わせを虎視眈々と狙っているのが名トレーナーで知られるディアス氏だ。