
大谷翔平へのリベンジを心に秘めるエンゼルスのトラウトがWBC出場“表明”も“悩ましい”ジャッジとのポジション重複問題が浮上
ドジャースの大谷翔平(30)の元チームメイトでエンゼルスのスター、マイク・トラウト(33)が15日(日本時間16日)、来春のWBCへの出場を“表明”した。MLB公式サイト、米スポーツサイト「アスロンスポーツ」などが伝えたもの。米国代表の監督に決まったマーク・デローサ氏(50)から打診を受け、キャプテンに指名されたヤンキースのアーロン・ジャッジ(32)とも話し合いを持ち「やり残した仕事がある」と出場を示唆した。ただトラウトは今季からライトにコンバートされているため、ジャッジとポジションが重なる。早くも米国代表の悩ましい問題として2人のビッグスターのポジション重複問題が浮上した。
「やり残した仕事がある」
2026年のWBCで侍ジャパンからのV奪回を狙う米国代表が本気だ。2023年のWBCで指揮を執ったデローサ氏の続けての監督就任が決まると、同監督はすぐさまジャッジをキャプテンに指名したが、前大会でキャプテンを務めたトラウトも連続出場への意欲を示した。
「そう(出場)したいし、そうなることを期待している」
レンジャースとの試合前に明言したもので、MLB公式サイト、アスロンスポーツなどの複数の米メディアが伝えた。
「間違いなくやり残した仕事がたくさんある。WBCが野球界にもたらしたものや、リーグの選手たち、私に手を差し伸べてくれた人たち、チームにいた人たちにもたらした効果は、信じられないほどの経験だった。その雰囲気に多くのファンが興味を持ったと思うし、来年は多くの選手が出場したいと願っていると思う」
トラウトが「やり残した仕事」と語るのは優勝、そして大谷へのリベンジに他ならない。2023年の決勝で米国は日本に2-3で敗れた。侍ジャパンは9回に「3番・DH」でスタメン出場していた大谷をリリーフに起用し、二死から当時チームメイトだったトラウトとの夢対決が実現したが、トラウトはスイングアウト。屈辱的な最後の打者となった。
トラウトによると、先週、デローサ監督からメンバー入りの打診があり、その際、ジャッジをキャプテンに指名することを伝えられた。トラウトは、ジャッジとも連絡を取り、直接、WBC出場についての話をしたという。
「彼は昨年のMVPなんだ。私はジャッジが大好きだ。私たちはいい会話をしたよ」
ジャッジのWBC出場は初。2022年、2024年にMVPを獲得しているジャッジと、2014年、2016年、2019年に3度MVPを獲得しているトラウトは、互いにリスペクトの気持ちを持っている。その2人が米国代表に加われば、まさに最強布陣となりそうだが、早くも悩ましい問題が持ち上がった。
ここ数年、度重なる負傷に悩まされているトラウトは、今季から負担を軽減するためライトにコンバートされており、ヤンキースでライトを守るジャッジとポジションが重複するのだ。
MLB公式サイトも、その点に触れた。
ただ同サイトは「両選手ともセンターでの経験が豊富でトラウトは、それが問題になるとは思っていない」とし、トラウトのジャッジとのポジション重複問題に関するコメントを紹介した。
「(ポジション問題については)わからない。私はただ優勝したいだけなんだ。デロ(デローサ監督)には何かきっと秘策があるはずだ」
DH起用や、WBC期間だけ、ジャッジか、トラウトのどちらかのコンディションに問題のない方をレフトやセンターで起用するなどの策を講じるしかないのかもしれない。デローサ監督の采配にも注目が集まる。