
なぜ巨人のマー君は2回6失点と大炎上したのか…「横浜DeNAに狙われた変化球」…“宝刀”スプリットの投球配分が初勝利した中日戦の19%から33%にアップしていた
楽天を自由契約となり巨人に移籍した田中将大(36)が17日、初めての本拠地登板となる東京ドームでの横浜DeNA戦に先発したが、2回で52球を投げて7安打6失点と大炎上して負け投手となり、日米通算200勝に王手をかけることができなかった。ストレートの最速は149キロをマークしていたが、変化球を狙い打ちされた。今日18日にも登録抹消された後、再登板チャンスを得る予定だが、次回もゲームを壊すことになるとローテーを維持することが難しくなりそうだ。
MAX149キロも甲斐の構えたインコースに投げきれない
マー君が初登板となった東京ドームのマウンドで立ち往生した。
2回で7安打6失点の大炎上。渋い表情のままベンチへ戻ると阿部監督が歩み寄り肩を叩いた。わずか2イニングでの降板。先発して2回までに降板したのは日米を通じて5度目で、国内では2012年7月29日の西武戦で2回5失点して以来、13年ぶりの屈辱となった。
「このような結果になってしまい、悔しいです」
序盤にゲームを壊した田中の広報談話も短かった。
1回トップバッターの梶原に甘く入った142キロのストレートをライトフェンスの最上部の手すりまで運ばれた。あと数センチで本塁打の打球で、審判団が協議したほど。続く三森は追い込んでからスプリットを連投したが、見送ればボールの低めゾーンのそれを拾われて、セカンド前の内野安打となり、一、三塁とされた。
横浜DeNAは打線を組み替えて3番には度会が入っていたが、初球に三森に二盗を許すと、巨人は1回から前進守備を敷いた。横浜DeNAの先発はエースの東。阿部監督は、そう点は取れないと踏んだのだろう。度会にもスプリットを痛打されたが一塁の正面。今季初めて4番に座った牧をえてスイッチを入れた。
3球目のストレートは149キロをマークした。だが、またスプリットを連投。ボールゾーンのそれを狙い打ちされてライト前へタイムリー、続く佐野には初球の浮いたスライダーを簡単にライトへの犠牲フライとされた。
なんとか2点で食い止め、2回の先頭の筒香は146キロのストレートで空振りの三振に仕留めたものの、ヒット、バント、四球で二死一、二塁とされた。三森にスプリットをバットの先でセンター前にうまく持っていかれて3点目。度会には、カウント1-0からエンドランを仕掛けられた。外角のストレートを捉えられると空いた三遊間を破られた。これで4点目。
さらに牧にはカウント0-1から甲斐がインコースに構えたがストレートは力のないアウトコースへの逆球となり、フルスイングしたわけではなかったが、打球は右中間を割った。走者が2人生還し、3連続タイムリーで6失点である。
マー君ははドームの天井を仰いだ。
田中は3日の中日戦では5回5安打1失点にまとめて、移籍初勝利をあげていた。
何がどう違い、横浜DeNAにつかまったのか。
現役時代にタイトル獲得経験のある評論家の一人は、「変化球を狙われていた」と分析した。
「横浜DeNA打線は、スプリット、スライダーといった変化球をチームとして狙っていた。変化球狙いでストレートがくればファウルでカットすればいいという戦略。当然、甲斐も気がついていたと思う。そこにカットできないほどのストレートの球威があり、あるいはインサイドを厳しく攻めていれば、その変化球狙いの裏をかくこともできたのだろうが、そのボールがないので、横浜DeNAはフルスイングするのではなく軽打でスプリットに合わせることができていた。また変化球で腕が緩むので、狙いやすかったんだと思う」
7安打を浴びたが、そのうち3本がスプリット。本当に真芯でとらえられた打球は、梶原のライトフェンス直撃の一打くらいだったが、田中がかわしにいった変化球をフルスイングではなく技術でヒットゾーンへと運ばれた。