
「フラストレーションを感じている」レッドブル角田裕毅はサウジアラビアGPで昇格後最高位の予選8位で決勝進出も不満…「決勝はもう少しやれる」と逆襲誓う
F1の今季第5戦、サウジアラビアGPの公式予選が19日(日本時間20)にジェッダで行われ、レッドブルの角田裕毅(24)が昇格後3戦目で最高位となる8番グリッドを獲得した。他車のクラッシュによる赤旗中断となった影響でQ3でのアタックは1回だけとなったが、過去7か月のレッドブルのセカンドドライバーとしても最高位の結果となった。角田は「フラストレーションを感じている」と操作が難しいRB21への戸惑いを吐露したものの「決勝ではもう少しやれる」と意気込みを口にしている。
第4コーナーでスナップが起きる
不完全燃焼の思いが残る公式予選となった。
Q1を20台中で5位、Q2を15台中で7位と余裕をもってクリアした角田だったが、10台による最終Q3でアタックする直前にマクラーレンのランド・ノリス(25、英国)がクラッシュ。赤旗中断となった影響でレッドブルの方針が変わった。
Q3再開後に角田に与えられたアタックは、2回から1回に減った。さらにアタックのコーナリングの途中でリアのグリップを失う「スナップ」に見舞われ、タイムは1分28秒204とQ2の1分27秒990から落としてしまった。
それでも8番グリッドと、姉妹チームのレーシングブルズから緊急昇格して3戦目で最高位を獲得した。レッドブル専門メディアの『RBR Daily』は公式X(旧ツイッター)を更新し、角田のQ3の結果をこう伝えた。
「角田裕毅選手がレッドブルでの予選でこれまでで最高の8位を獲得。これは過去 7か月間でレッドブルのセカンドドライバーが出した最高の予選結果だ」
もっとも、角田自身は満足していないどころか、むしろ困惑を深めていた。アメリカのモータースポーツ専門メディア『motorsport.com』によれば、角田はQ3終了後にレッドブルのマシンRB21の運転の難しさにこう言及した。
「第4コーナーで大きなスナップが起きました。もっとプッシュすると予測できないスナップが起こり続けるので、限界に到達するのが本当に難しくなる。(レーシングブルズのマシンでは)最後のコンマ数秒までを絞り出せていたのに、いまは限界を見極めるのが難しく、フラストレーションを感じている。まだ3戦目なので(RB21に)苦戦しているとは言わないが、現状では本当に予測不可能な状態です。なぜあんなにスナップしてしまったのか、いまでもよくわかりません」
対照的に4年連続でドライバーズ王者を獲得しているレッドブルのエースドライバー、マックス・フェルスタッペン(27、オランダ)はQ3で2度のアタックを敢行。最後に自身が持っていたコースレコードを更新する1分27秒294を叩き出し、大逆転で昨年に続くポールポジションを獲得した。
サウジアラビアGP前には「フェルスタッペンに勝てる」と豪語した角田は、フェルスタッペンから学ぶべき点が多いと口にしている。
「マックスからはさまざまなコンディションでもマシンをしっかりとセットアップし、操縦する能力を学ぶことができると思っている」