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阪神が連勝も藤川監督の異例の勝負采配が物議(写真・Imagn/ロイター/アフロ)
阪神が連勝も藤川監督の異例の勝負采配が物議(写真・Imagn/ロイター/アフロ)

マジギレか?演技か?阪神の藤川監督が広島戦での「危ない」死球に激怒した理由とは…開幕前のNHK監督座談会にあった伏線…「来い!」の“火の玉ポーズ”は“闘将”星野仙一氏に重なる!

 阪神の藤川球児監督(44)が20日、甲子園での広島戦で8回に岡本駿(22)から坂本誠志郎(29)が頭に死球を受けると、ベンチを飛び出して激高、ホームベース上で両軍が入り乱れて場内が騒然となり、岡本が危険球で退場となった。試合は阪神が8-1で完勝。ドラフト1位ル―キーの伊原陵人投手(24)が初先発で初勝利を手にした。藤川監督が激怒した理由とは?

 頭部に死球を受けた坂本が藤川監督を制止

 甲子園が騒然となった。
 佐藤の6号2ラン、7号3ランを含む4安打6打点の大暴れで大量のリードを奪い、初先発のルーキー伊原が5回を無失点に抑えて、6-1という阪神楽勝ムードの中で迎えた8回だった。一死一、二塁で坂本への初球。甲南大初のプロ野球選手となった広島のルーキー岡本のカットボールがスッポ抜けて坂本の頭部を直撃したのだ。ヘルメットを飛ばして膝をついた坂本はすぐさま立ち上がり、帽子を脱いで謝罪する岡本に両手を差し出して「大丈夫」とジェスチャーで示した。
 心配した石原にも「大丈夫」と言葉を返した。
 だが、怒りの藤川監督がベンチから飛び出してきた。石原に向かって何やら叫んで詰め寄ろうとした。坂本が藤川監督の肩をつかみ、なだめるように制止したが、それをふりほどこうとして突進していく。広島ベンチからも、新井監督以下コーチ陣、選手がホームベース付近に集結し、一触即発の険悪な雰囲気となった。藤本総合コーチ、安藤投手コーチが、必死に止めに入ったが、藤川監督は手で「来い!」「来い!」と新井監督らに向かって怒りのファイティングポーズ。
 新井監督は「まあまあ」と手で押しとどめるような素振りを見せたが、サングラスを取った藤川監督は、自らの頭付近を指で差して何やらクレームを続けた。
 審判団が間に入り、安藤投手コーチが、藤川監督の体をがっつりとつかんで引き離し、ようやく騒動は収まったが、指揮官がここまで怒りを露わにしたのは就任以来初めてのこと。岡本は危険球退場となり、警告試合が宣告された。
 藤川監督は大事をとって坂本に代走梅野を送った。
 指揮官の闘志が乗り移ったかのように、代わった島内から小幡がタイムリー。代打糸原もレフト前に落とす珍しい“レフトゴロ”でもう1点を加えた。
 スポーツ各紙の報道によると、試合後、このシーンについて聞かれた藤川監督は「危ないですよ、そこに投げてはダメですよ、ということ」と多くを語らず、新井監督も「こちらは当ててしまった方。変化球が抜けてしまったんだけど申し訳ない」と、謝罪の意を示した。藤川監督は広島ベンチからの声に反応したようにも見えたが、広島サイドは、ヤジのような言葉を発していないという。
 実は、藤川監督の怒りには伏線があった。
 開幕直前の3月23日にNHKの番組「サンデースポーツ」の恒例企画として放送された「セ・リーグ監督座談会」の中で、藤川監督が、新井監督に広島投手陣の内角攻めに対して警告を発する場面があったのだ。
「一番警戒する投手陣はこのチーム」という共通の質問に対して藤川監督は「広島」と回答。
「(昨季の)死球の数字を調べたところ(広島が)一番うちのバッター陣に攻め込んできた。厳しい内角攻めで選手が、もしいなくなったらどうしようと警戒しながら見ているところだったので、どうなるかなと」と、ズバリ斬り込んだ。
 昨季の阪神は広島に15もの死球を受けていた。NHKの解説者として昨季の阪神の戦いを見てきた藤川監督には、データに加えて、広島の厳しい内角攻めが印象として残り、選手の生活を守らねばならないとの思いを強くしていたのだろう。

 

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