
米上陸の井上尚弥がロスの公開練習で現地メディアに「なぜ中谷潤人と戦うのか?」と聞かれて回答した“最高のアンサー”とは?
プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(32、大橋)が23日、米ロサンゼルスに到着した。5月4日に米ラスベガスのT-モバイルアリーナで行われるWBA同級1位のラモン・カルデナス(29、米国)との防衛戦に備えての米国入り。さっそくロス市内のウエストサイドボクシングジムで、日米70人を超えるメディアがつめかけた中で公開練習を行った。当初、現地時間の午後2時に開始予定だったが、現場に午後12時30分に到着したため、前倒しでスタート。同じく公開練習を行っていたカルデナスと約5秒のフェイスオフを行い、その後、日米それぞれのメディアに約10分ずつの囲み取材に応じた。

「カルデナスはやりやすい選手」
「今日は多くのメディアが集まり、とても満足している。期待があることは分かっているし、その期待に応えたい」
そう語った井上が、米報道陣の喝采を受けたのが、来春の東京ドームで計画されているWBC世界バンタム級王者、中谷潤人(27、M.T)とのスーパーマッチについての回答。
米メディア「FightsATW」にマイクを向けられ「なぜ中谷潤人と戦うか?」と聞かれた井上は、取り囲む記者団に対して「この試合を見たいですか?」と逆に質問した。
記者団が一斉に「イエス!」と答えると、サングラスをかけていた井上はニコッと笑って「だからです」と返した。
米国流の洒落たやりとりに記者団からは感嘆の声が聞こえた。
「(アメリカに)戻るのに4年かかったが、遅かれ早かれまた戻りたい」
4年ぶりに米再上陸した今回の防衛戦は、メキシコの記念日「シンゴ・デ・マヨ」ウィークに数々のビッグマッチが行われたきた“新聖地”T-モバイルアリーナで行われる。それだけに注目度が高いが、モンスターは早くも先制パンチをかまし、メディアやファンの心をつかんだ。
また今回の防衛戦を主催するトップランク社の公式サイトによると、井上はカルデナスについてもこう語った。
「カルデナスは綺麗な(ボクシングをする)ファイターだ。彼はオールラウンドの優れたファイターだが、私にとってはやりやすい選手。彼がどう出てきても私が優位に立っていると思う」
カルデナスは27戦26勝(14KO)1敗のボクサーファイター。
「地獄のパンチを持つ男」の異名を持ち、3戦前になる昨年2月にはWBC中米カリブスーパーバンタム級王座決定戦でイスラエル・ロドリゲス・ピカソ(メキシコ)の顎を右のカウンターで粉砕して6ラウンドTKO勝利した。前戦は2月のブラインアン・アコスタ(メキシコ)戦で、テンプルにパンチを浴びてプロ初のダウンを喫したが、なんとか3-0判定で勝ち切った。アコスタは、井上がWBO&WBC世界スーパーバンタム級王者、スティーブン・フルトン(米国)へ挑戦する際のスパーリングパートナーだった。