
一体どこまでいくんだ!モンスターの1年後は「チャンピオンと戦うのが井上尚弥の仕事」と大橋会長が明言…WBOフェザー級王者エスピノサからの対戦要求を「面白い」
プロボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(32、大橋)が所属する大橋ジムの大橋秀行会長(60)が28日(日本時間29日)、米国ラスベガスに到着しチームに合流した。5月4日に当地でWBA1位のラモン・カルデナス(29、米国)と対戦する井上のアンダーカードで防衛戦を行うWBO世界フェザー級王者、ラフェエル・エスピノサ(33、メキシコ)は、モンスターとの対戦を熱望しているが、大橋会長は「いろんな声が出てくる。チャンピオンと戦うのがこれからの仕事」と興味を示した。今後予定されている4試合を消化した後は世界王者とのビッグマッチにマッチメイクが絞られてくる可能性を示唆した。

中谷潤人とのスーパーマッチは「来年4月ではない」
5.4米ラスベガス決戦に向けてすでに現地入りしている井上へ力強い援軍が加わった。大橋会長、八重樫東トレーナー、松本好二トレーナー、佐久間史朗トレーナー、北野良トレーナーの5人が合流した。
井上は今回が5度目の海外での試合。
大橋会長は「もう慣れている。5回目という経験が大きいよね。ラスベガスというより後楽園にいく感じだ」と、環境が変わるデメリットがまったくないことを明かした。現地時間27日は井上の休養日。ショッピングなどで気分転換をしたそうで、「調整は、ばっちしです」との報告が入ったという。
今回のアンダーカードには、WBO世界フェザー級王者のエスピノサの防衛戦が組まれた。井上の共同プロモーターで今回のラスベガス興行の主催者であるトップランク社の契約選手。26勝(22KO)無敗の1m85と異色の長身ファイターで、清水聡(大橋)にTKO勝利したロンドン、リオ五輪金メダリストのロベイシ・ラミレス(キューバ)からベルトを奪い、再戦でも6ラウンドにギブアップさせた。
今回の対戦相手は、WBO同級10位でIBF世界スーパーフェザー級王座への挑戦経験のあるエドワード・バスケス(米国)だが、エスピノサが望む本当のターゲットは、井上。現地での記者会見で「バスケスとの戦いが最優先事項だが、オレはパウンド・フォー・パウンドのファイターになるつもり。だから井上との戦いを望んでいる。それがオレの最大の目標だ」と対戦を熱望しているのだ。
「オレは不可能を可能にしてきた。井上に勝つことが、オレが最高だと示す最も簡単な方法だ。オレにはそれを達成できる能力があると信じている。すでに準備もできている。そして(勝利を)世界中に見せて、メキシコ人は井上よりもモンスターだと言うつもりだ」
そう豪語した。
大橋会長もエスピノサの対戦熱望表明を聞き、「みんなそう言ってくるんじゃないか。井上尚弥と戦えば注目される。エスピノサと戦えば面白いよね」と興味を示した。だが、井上は今回のカルデナス戦をクリアすると、9月に日本でWBA暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との対戦が予定されており、12月には、3年30億円の大型契約を結んだ「リヤドシーズン」の第1弾としてサウジアラビアで1階級上げてWBA世界フェザー級王者、ニック・ボール(英国)に挑む。そしてその2試合に勝てば、スーパーバンタム級に階級を戻して、来春に東京ドームでWBC世界バンタム級王者の中谷潤人(M.T)とのスーパーマッチが計画されている。
その中谷については、ロス特着後に囲み取材に応じた井上が「来年4月」と対戦時期を明かしたが、大橋会長は「それはちょっと間違っているんじゃないかな」と訂正する一幕もあった。昨年のルイス・ネリ(メキシコ)戦と同様5月のGW期間中か。