花束騒動に“神対応”メイウェザーは「仕方がない」と榊原CEOの謝罪を受け入れる…RIZIN側は「ごぼうの党」奥野氏に「表に出てきて謝罪すべき」と怒りの訴え

総合格闘技イベント「超RIZIN」（25日・さいたまスーパーアリーナ）で行われた 総合格闘家でユーチューバー の朝倉未来（30、トライフォース赤坂）対プロボクシングの元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー・ジュニア（45、米国）のエキシビションマッチの試合前の花束贈呈で、7月の参議院選挙に候補者を立てた「ごぼうの党」の奥野卓志代表（48）がメイウェザーに手渡さず、足元に落とすという非礼行為を行った問題が大きな波紋を呼んでいる。リング上の花束贈呈は、今回売り出された「NFTチケット」の最高落札者の特典として与えられたもので奥野氏が420万円でゲットしていた。主催者RIZINの榊原信行CEO（56）は、リング上からファンに「日本の恥だ」と謝罪。花束を拾いあげる神対応をしたメイウェザー陣営にも謝罪に訪れたが、「仕方がない」と、怒りを抑え、そういう人物をリングに上げた主催者の管理責任を問うことなく謝罪を受け入れたという。榊原CEOは、法的措置は検討していないが、再発防止を約束すると同時に「奥野氏は表に出てきて謝るべき」と怒りの訴えを行った。

井上尚弥も苦言ツイート

　2万人を超えるファンで埋まった会場が凍りついた。メインの朝倉vsメイウェザーの試合前の花束贈呈で、リングに和装で上がっていた奥野氏は、その大きな花束を手渡さずにメイウェザーの足元にばさっと投げ捨てたのだ。手から滑り落ちたようには見えない。意図的な侮蔑的行為だ。メイウェザーは、一瞬、困惑した表情を浮かべた。だが、冷静に、その花束を両手で拾い上げて、スタッフに手渡すという神対応をした。奥野氏は、リングを降りると試合を見ることなく、その場をすぐに立ち去ったという。

　注目の一戦に汚点を残す花束騒動にネットは大炎上した。メイウェザーの神対応を称賛すると同時に奥野氏への非難の声が殺到。プロボクシングのバンタム級の3団体統一王者の井上尚弥が「エキシどうこうではなく捨てられた花束を拾ったメイウェザーがカッコよ過ぎた…。俺なら確実に拾わん。。メイウェザーに謝罪したい気持ちになったのは俺だけじゃないはず、、」（原文ママ）とツイートするほどだった。

「超RIZIN」に続いて開催された「RIZIN.38」の第4試合の後にリング上に上がった榊原CEOは、「情けない恥ずかしいことをした人間がいます。リングの中は本当に神聖な場所。リングに上げたことをお詫びしたいと思います。この場を借りて謝罪します」と謝罪。

「ファンの皆さん、世界中で見ているので日本人の恥をさらすことになった。今後こういうことがないようにします。許してください。すみません」と続け深々と頭を下げた。

　今回のメイウェザーvs朝倉は、欧米のプライムタイムに合わせて開催され、PPV及び無料放送で、世界に配信されたため、「日本人の恥ずべき行為」が、世界に広がってしまうことになってしまった。

　試合後の総括会見でも榊原CEOは、最初に改めて、この問題に触れて、深く頭を下げて謝罪した。榊原CEOの説明によると、「NFTチケット」の最高落札者に特典として花束贈呈があり、それらのとりまとめは、チケッティング会社に任せていて、420万円という落札価格の報告は受けたが、どういう人物が落札したかの確認はせず「あの場で会うまで（誰が落札者か）知らなかった」と言い、リングに上がる前に奥野氏とも、特段会話もしなかったという。

　格闘技イベントに何十年とかかわり、花束贈呈の場に、何百回と出くわしている榊原CEOだが、過去に、こういう礼を欠く侮蔑行為に接する機会はなく、まったくの想定外の出来事だったようだ。