横浜DeNA9回一死満塁の逆転サヨナラ機を逃した「代打藤田」の三浦采配巡りSNSで“炎上”騒ぎ…「代打大田の方が阪神にはプレッシャーだった?」
セのクライマックスシリーズ(以下CS)のファーストステージ第3戦が10日、横浜スタジアムで行われ、レギュラーシーズン3位の阪神が2位の横浜DeNAに3-2で逆転勝ちを収め、対戦成績2勝1敗で12日から神宮で行われるヤクルトとのファイナルステージ進出を決めた。横浜DeNAは9回に一死満塁の逆転サヨナラ機をつかんだが、代打の藤田一也(40)が二ゴロ併殺打に終わりゲームセット。この代打の人選を巡り「ストレートに強い大田泰示(32)ではなかったか?」の意見も飛び交い、SNS上で議論が沸騰した。なぜ横浜DeNAは“下剋上”を許したのか。三浦大輔監督(48)の采配に間違いはなかったのか?
「最後まであきらめずに戦った」
最後の逆襲は牧の咆哮から始まった。
1点のビハインドで迎えた9回。回跨ぎで“新守護神”の湯浅がマウンドに立ったが、先頭の牧は4球ファウルで粘り、三遊間を破るヒットで出塁しベース上で吠えた。
「チーム、スタンドの思いが乗り移ったヒットだと思う」(三浦監督)
続く宮崎は三振に倒れたが、ソトが四球を選び三浦監督が動く。二塁走者を神里、一塁走者を森に代えるW代走。そして代打の“切り札“オースティンを送った。オースティンは火の出るようなライナーをセンター前へ弾き返す。だが、あまりにも打球が強烈だったため、ライナーゲッツーを警戒した二塁走者の神里のスタートが遅れ一死満塁となった。
逆転サヨナラの舞台は整った。超満員のハマスタは最高潮。アナウンスで声出し応援を注意された虎ファンとは違い、ルールを守り、手がちぎれんばかりの大拍手がハマスタを包む。外野フライで同点。引き分けでも2位の横浜DeNAがファイナルS進出を決めるのだ。
矢野監督が自らマウンドへいく。笑顔を浮かべ「楽しめ」と23歳の湯浅に声をかけた。試合後、湯浅は「楽しみながらバッターに向かっていくだけでした」と回想している。
三浦監督は、代打に40歳の“いぶし銀”藤田を送った。青柳対策に第1戦で「6番・三塁」でスタメン起用されヒットを放っていた。
初球の152キロのストレート。ほぼど真ん中だった。藤田は思い切りよくバットを振った。だが、その打球は二塁小幡の正面。前進守備の小幡が本塁に送球して封殺、そして梅野が一塁へ転送して横浜DeNAにとって悪夢のゲッツーが成立してゲームセット。ヘッドスライディングを試みた藤田は、しばらく、その場を立ち上がれない。ベンチも呆然自失。三浦監督は思わずのけぞった。あまりに残酷な終焉。オースティンと小池一塁コーチが藤田に駆け寄り、肩を貸してベンチへ下がるシーンがベイファンの涙を誘った。
三浦監督の目は真っ赤に充血し、何度か言葉に詰まった。
「選手たちがよく頑張りました。全員が食らいついた。うーん、ほんと、最後まであきらめずに戦った」
誰一人責めることをしなかった。
「3日とも本当に凄い声援。その応援の力に応えられなかったことを申し訳なく思う」
そしてハマスタを青に染めてくれたファンに感謝の意を表し謝罪した。
だが、SNS上は、最後の代打の人選を巡り、三浦監督の采配批判で“炎上”した。藤田ではなく対阪神戦に打率.424を誇り、8月9日の阪神戦ではサヨナラヒットをマークしている“虎キラー”の大田ではなかったのか、という意見が飛び交い、議論が沸騰したのだ。