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阪神の次期監督としてOBで元監督の岡田彰布氏が15年ぶりに再登板する
阪神の次期監督としてOBで元監督の岡田彰布氏が15年ぶりに再登板する

岡田阪神は「虎メダル」「佐藤、大山の複数ポジション」など廃止へ…「そりゃ、そうよ」“負の遺産“解消でV狙える?!

 阪神の新監督に決定した岡田彰布氏(64)が16日、大阪市内のホテルで就任会見を行った。15年ぶりの再登板となった岡田新監督は、独特の言い回しで「優勝しますとはよう言わんけど、シーズンが終わる頃を楽しみにして下さい」と宣言した。オリックス監督退任後の10年で岡田新監督が温めていた阪神V構想とは何か?まずは矢野燿大前監督(53)時代の“負の遺産”を解消することから始まりそうだ。

 「勝てるチームが勝てない歯がゆさがあった。やってやろうかと」

 

 岡田新監督は黄色いネクタイで会見に臨んでいた。阪神OBで2008年に岡田監督がチームを率いた際に4番を任せていた広島の新井貴浩氏が監督就任会見で赤いネクタイをしていたのを見てタイガースカラーのイエローを選んだという。いかにもサービス精神旺盛の岡田新監督らしい。
 新型コロナ対策もあり、代表各社だけが出席の許された会見報道によると「スタンドから見て10年くらいになるが、なんとかしたいというか、そういう気持ちがすごくあった。年齢的にもそんなに長くできないと思うが最後にタイガースのためにユニホーム着ようかなという気持ちになった。勝てるチームが勝てない歯がゆさはあった。そういう意味で話をもらったときに、やってやろうかと」と、少し緊張した表情で15年ぶり復帰の決意を語っている。それは素直な言葉だった。
 約40分間の会見では、独特の岡田語を交えながら考えを伝えたが、温めてきたいくつものV構想がある。つまり矢野阪神とはガラっと変わる。
 そのひとつの象徴となるのが「虎メダル」の廃止だろう。
――「虎メダル」はどうするんですか?
「やらんよ。そりゃ、そうよ」
 筆者の直撃に岡田新監督は一言だった。
 「虎メダル」は、昨年、主将の坂本がメジャーリーグのパドレスが行っている儀式を真似て「チームに一体感が出れば」とチームに取り入れた。
 今季はファンから公募。毎試合、アイデアに富んだ「虎メダル」が用意されて矢野監督がホームランを打った選手に自らかけるようになった。メジャーではエンゼルスがホームランを打った選手に真っ白なカウボーイハットをかぶせる儀式をベンチ内で行っている。
 矢野監督が作ろうとしてきたチームの雰囲気を象徴するような儀式で、一部のファンからは「楽しい」と支持されていたが、その一方で、球団OBや野球関係者、また一部ファンからは、批判的な声も聞かれていた。
「プロの勝利集団がやるべき行動なのか」「日ハムのBIGBOSSがやるならまだしも伝統のある阪神が取る行動としていかがなものか」「打たれた相手チームへのリスペクトがない行為」などとの意見だ。
 ホームランを打った直後には、相手ベンチに動きが出る。会見でも岡田新監督は「143試合で一喜一憂していたらもたない」と語ったが、そこで指揮官がやるべきことは、メダルをかけることではなく、次を“読む”こと。選手が心の底から感情を表に出して喜びを共感して“一体感”を作ることは重要だが、それは「虎メダル」ではないだろう。近年は巨人の原監督でさえ、丸が本塁打を放った際にマルポーズをしているが、会見で岡田監督がターゲットにあげたリーグ連覇のヤクルトでは、そんなことはしていない。
 また阪神は、現在、近本選手会長、坂本主将のチームリーダー2本立てだが、岡田新監督は、主将制度にも否定的で、来季は選手会長一人に絞られる可能性が高い。

 

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