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WBC王者の寺地拳四朗(左)とWBAスーパー王者の京口紘人が共に計量をクリア(写真・山口裕朗)
WBC王者の寺地拳四朗(左)とWBAスーパー王者の京口紘人が共に計量をクリア(写真・山口裕朗)

全世界注目の10年ぶり日本人王者対決…WBC王者の拳四朗は「僕が有利」の豪語通り無敗のWBA王者の京口紘人に勝てるのか?

 プロボクシングのダブル世界戦(11月1日・さいたまスーパーアリーナ)の前日計量が31日、東京都内のホテルで行われ、注目のライトフライ級の2団体統一戦はWBC世界同級王者の寺地拳四朗(30、BMB)がリミット48・9キロから300グラムアンダーの48・6キロ、WBA世界同級スーパー王者の京口紘人(28、ワタナベ)は100グラムアンダーで、それぞれ一発でクリアした。またセミファイナルで行われるWBO世界同級王者のジョナサン・ゴンサレス(31、プエルトリコ)、挑戦者の岩田翔吉(26、帝拳)も一発でパスした。日本人王者同士の2団体統一戦は2012年にWBC世界ミニマム級王者の井岡一翔(現志成)がWBA世界同級王者の八重樫東(大橋)を判定で破って以来10年ぶり。拳四朗は「僕が有利」と豪語するが果たして勝者は? 試合はアマゾンプライムビデオで独占生中継される。

公開採点無しのフリーノックダウンルール

 

 恒例のフェイスオフは、写真撮影の場所の都合で、一度中断して、2度行われたが、2人は睨み合うでもなく、目をそらすでもなく、互いに無表情のまま儀式に徹した。握手もせずに別れた。激闘の前の静かな火花だ。
「よしやってやろう、という気になった」
 拳四朗は、パーテーションで仕切られた場所で、まず経口補水液などで水分を補給。温めてきたレトルトの参鶏湯をゆっくりと口に入れ、塩芋ケンピをつまんだ。
「染みるわあ」
 21日から固形物を断つ絶食減量法を行ってきた。11日ぶりに空っぽの胃袋に食べ物を入れた実感が、思わず口から漏れる。
 都内の自宅マンションに帰ると“勝負飯”にうなぎを食べるという。すでに市販のうなぎを購入済。タレを洗い流した後に、もう一度、焼き直すなどのひと手間をかけて最高のうなぎに仕上げると話す。ジムを離れるとボクシングは頭から切り離す。そういう集中した作業をしていると自然とリラックスできるのだ。
 ルールミーティングでは、WBCでは採用されている4回、8回終了時点での公開採点をWBAが採用していないために京口側が拒否。また拳四朗側に対し試合前にニンニク注射などを行わないようにとの細かいクレームもあった。すでにWBCが廃止しているが、偶然のバッティングで一方がカットした場合、カットさせた側から減点するルールも採用されない。拳四朗が王座を失った昨年9月の矢吹正道(緑ジム)戦では、バッティングが故意か偶然かで大問題に発展したが、疑義のある事象が起きた場合は、インスタントリプレー(ビデオ判定)が採用されることも決まった。
 またWBAのスリーノックダウンは採用されずフリーノックダウン制となる。グローブは、京口はNo boxing no life社(メキシコ製)、拳四朗はウイニング社(日本製)を使用。No boxing no life社は、スーパミドル級の4団体統一王者のサウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)が使用しているグローブでパンチャーに有利なグローブと言われている。
 海外のブックメーカーは「リング誌」が同級の王者に認定している京口を支持している。海外で2度防衛に成功していることが評価されていて大手ブックメーカーの「ウィリアムヒル」では、京口勝利が1.61倍で、拳四朗勝利が2.37倍。だが、国内の関係者や専門家の下馬評は拳四朗有利の声が圧倒的だ。この国内の予想をどう思うか?と本人に聞くと、「その通りだと思う。僕が有利。これだけボクシングをやってきたら経験から相手の力はわかるんで。僕が上回っている」と豪語した。

 

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