なぜドイツのW杯開幕直前会見で海外メディアから日本戦に関する質問が飛ばなかったのか…GKノイアーが鎌田を要注意指名も
カタールW杯のグループステージ初戦で日本代表が対戦するドイツ代表が19日、現地入り後で初めて全体練習を行い、冒頭15分だけをメディアに公開した。記者会見も行われ、オリバー・ビアホフ・チームマネジャー(54)とキャプテンのGKマヌエル・ノイアー(36、バイエルン・ミュンヘン)、チーム最年少のFWユスファ・ムココ(17、ボルシア・ドルトムント)が出席。ノイアーは、日本の要注意選手として、フランクフルトでプレーするMF鎌田大地(25)の名前を挙げたがドイツを含めた海外メディアからは日本に関する質問は出なかった。
インフル疑惑のFWフュルクルクは練習不参加
グループステージ初戦は眼中にないからか。ドイツを含めた海外メディアから、キックオフが4日後の23日16時(日本時間同22時)に迫る日本戦へ向けた質問は最後まで出なかった。
カタール入り後で初めてとなる全体練習後の記者会見。ドイツサッカー連盟(DFB)もまだ臨戦ムードが高まっていないのだろう。登壇したのはハンジ・フリック監督(57)ではなく、チームマネジャーのビアホフ氏とキャプテンのノイアー、そして大抜擢された“神童”ムココだった。
ムココはカタールW杯が開幕する今日20日に18歳の誕生日を迎える。主将のノイアーは36歳。決戦の地に入っての初の会見に2人の微笑ましい組み合わせがベストだとDFBも判断したのだろう。
ノイアーには18歳の誕生日の思い出が問われた。
「生まれ育ったゲルゼンキルヘンで、友人たちとボウリングをしていたよ」
ノイアーがジョーク混じりに返して会場の笑いを誘った。盛大なパーティーは催さないものの、低カロリーのバースデーケーキを用意し、みんなで『Happy Birthday』を歌おうとチーム側から言われているムココには、18歳になって叶えたい最初の夢についての質問が飛ぶ。
「この間の試合ではゴールできなかったけど、僕の一番大きな夢は18歳になって最初に臨む試合で、勝ち点3ポイント獲得に貢献することだ」
この間の試合とはオマーンの首都マスカットで16日に行われ、ドイツが1-0で辛勝した同国代表との国際親善試合を指す。初代表のムココは先発するもゴールを奪えず、ハーフタイムに同じく初代表のFWニクラス・フュルクルク(29、ベルダー・ブレーメン)と交代した。
決勝点は後半35分にフュルクルクがあげた。ドイツ紙『Bild』は「W杯へ向けたテストで愚かな勝利」とオマーン戦を酷評。窮地を救ったフュルクルクの代表初ゴールを称賛しつつ、それ以外のシーンについては「ほとんど老人のようなサッカーだった」と一刀両断した。
ドイツはその後、短期合宿を行っていたオマーンから17日にカタールへ到着。首都ドーハからバスで約1時間半も離れた同国最北部アル・ルワイスのリゾートホテルに入り、自由練習にあてられた18日はほとんどの選手が近くにある人工ビーチでレクリエーションに興じた。
迎えた再始動日。練習拠点となるアル・シャマル・スタジアムのピッチに姿を現したドイツの選手は、招集された26人よりも一人少ない25人だった。ブンデスリーガ1部での好調を持続し、オマーン戦で得点したフュルクルクが発熱のために参加を見合わせたからだ。
一部のドイツメディアは、フュルクルクがインフルエンザに感染したと報じた。最初に登壇したビアホフ氏は「経過を見守っていく必要がある」と強調した上で、身長188cm体重78kgのサイズに旺盛な闘争心、そして無尽蔵のスタミナを同居させるストライカーにこう言及した。
「チームドクターの話では、そこまで大きな問題ではない感じだった。23日(の日本戦)に間に合うための時間は、十分に残されていると思っている」
もっとも、現役時代は長身ストライカーとして活躍し、2004年からチームマネジャーを務めるビアホフ氏へのメインの質問は別にあった。