辛口の英メディアがイングランドのイラン戦6-2“爆勝”スタートを絶賛…「(優勝)楽観論に火をつける戦いだ」
カタールW杯のグループBの開幕戦が21日行われ、56年ぶりの優勝を狙うイングランドのスター軍団が大爆発して、イランに6-2で爆勝。辛口の英メディアも「(優勝)楽観論に火をつける戦いだ」と絶賛した。同Bの残り1カードでは米国とウェールズが引き分けた。
19歳の衝撃ゴールが幕開けだった。
前半35分。マグワイアからの縦パスにスターリングがワンタッチで反応。サイドからショーが上げたクロスにドルトムントに所属するベリンガムがヘッドを合わせた。代表初ゴールだ。イングランドは、ここからゴールラッシュ。21歳のアーセナル所属のサカが2ゴールを決めるなど、スターリング、ラッシュフォード、グリーリッシュらが次々とW杯初ゴールで躍動。5バックで守りを固めるイランに対して、ケインを軸にスターリング、サカ、マウントと4人が攻撃に絡むオプションで、個の能力差を見せつけてなんと6ゴール。イランは前半早々に守護神のGKベイランバンドが味方と接触して脳振とうの疑いによる特別交代枠で退場したことも響いた。タラミがアディショナルタイムのPKを含める2ゴールをマークして意地を見せたが、予選でわずか4失点の鉄壁ディフェンスも56年ぶりの優勝を狙うイングランドには通用しなかった。
英国メディアもイングランドの大勝初戦突破に沸いた。
英の高級紙であるガーディアン紙は「イングランドがサカの2ゴールでイランに6-2と大勝し、W杯を華々しくスタート」との見出しを取り、「イランのカルロス・ケイロス監督のコンパクトな戦術と、献身的なイラン代表を相手に消耗戦になると思われていたが、そのような展開にはならず、イングランドは、前半から引き締めて流れを掴むと、後はメッセージ力のある勝利へ緩やかに進んでいった」と伝えた。
さらに「イングランドのガレス・サウスゲート監督は2人の若い選手(ベリンガムとサカ)をうまく起用した一方で、少年たちに男たちが対峙しているようになった試合のピッチで会場の数千人のイングランドファンにとって祝宴となった」と、6ゴールの圧勝劇を紹介。
「散々だったネーションズリーグの戦いを不必要な歴史へと追いやろうとする中で、サウスゲート監督は『あらゆることが可能だ』と語った。この試合は(優勝)楽観論に火をつける戦いぶりだった」などと称賛した。
BBCも「イングランドのW杯の戦いは、イランに決定的な差をつけ十分に説得力のある戦いぶりでスタートした。チームメートのホセイニと頭を衝突させて脳振とうを起こしたGKべインランバンドを序盤に失うことでイランが絶望的な窮状をより悪化させる中でサウスゲート監督のチームは勝利へ易々と進んだ」と伝えた。
記事は、「べリンガムとサカがレベルの差を示す」とし、「イランの戦力欠乏を見れば、イングランドのW杯での確固たる今後の見通しを判断することは不可能だが、サウスゲート監督の大きな決断の1つが恩恵をもたらし、その結果はほぼ完ぺきだったことから、この勝利は、彼にとってこれ以上ないものだったかもしれない」と、べリンガム、サカの若手2人を起用した采配を称えた。
「今後、米国やウェールズと対戦することになるイングランドにとって戦いは厳しくなっていくが、この試合は完璧なスタートだった」とつけ加えた。