今日W杯初戦!森保ジャパンがドイツ戦で「サプライズを起こす」シナリオとは?
サッカーの日本代表が今日23日16時(日本時間同22時)、ハリーファ国際スタジアムでドイツ代表とのFIFAワールドカップ・カタール大会のグループステージ初戦に臨む。22日には公式会見が行われ、森保一監督(54)とともに出席したキャプテンのDF吉田麻也(34、シャルケ04)が「大きなサプライズを起こせたら」と公言した。現行方式になった直近の6大会で決勝トーナメントに進出した延べ96チームのうち、88チームが初戦で勝ち点を獲得しているなかで、優勝4回を誇る強豪を攻略するシナリオを追った。
ドーハ郊外にあるメインメディアセンター内のカンファレンスルームで開催された、23日のドイツとの初戦へ向けた公式会見。海外メディアも数多く出席したなかで、キャプテンの吉田が流暢な英語を駆使しながら、日本が抱いてきた野望を世界へ発信した。
「日本の成長を示したい。ドイツは強いが、世界に大きなサプライズを起こせたらと思っている」
森保ジャパンが初陣に臨んだ2018年9月から、前回ロシア大会を含めて、過去に3度挑むもすべてはね返されたベスト16の壁を越える目標が共有されてきた。決勝トーナメントに進出するためには、まずはグループステージを突破しなければいけない。そして4月の組み合わせ抽選会で、W杯優勝経験のあるドイツ、スペイン両代表が待つグループEに入った。
目標への挑戦権を手にするためには、ドイツかスペインのどちらかを上回らなければいけない。公式会見に出席した森保監督も「ベスト16の壁を越えることは、(日本サッカー界の)歴史を変えるということ」と意気込んだが、特に初戦は極めて重要なウエートを占める。
出場チーム数が「32」となり、4チームずつが「A」から「H」までの8組に分かれてグループステージを実施。各組の上位2位までの計16チームが決勝トーナメントに進出する現行のレギュレーションは、日本が悲願の初出場を果たした1998年フランス大会から採用されている。
そして、前回ロシアW杯までの6大会を通して、顕著な傾向が弾き出されている。各グループで2位以内に入って決勝トーナメントへ進出した延べ96チームのうち、88チームが初戦で勝ち点「3」もしくは「1」を獲得してきた。確率は実に91.7%に達している。
内訳を見ると、初戦で勝利した延べ73チームのうち83.6%に当たる61チームが、引き分けた44チームのうち61.3%の27チームがそれぞれ決勝トーナメントへ進出した。逆に黒星を喫した延べ74チームのうち、89.1%にあたる66チームがグループステージで敗退している。
日本の場合は特に顕著で、ベルギー代表と引き分けた2002年の日韓共催大会、カメルーン代表に勝利した2010年の南アフリカ大会、そしてコロンビア代表を撃破した前回ロシア大会と、初戦で勝ち点を獲得したW杯はすべて決勝トーナメント進出を果たしている。
対照的にアルゼンチン代表に敗れたフランス大会、オーストラリア代表に敗れた2006年のドイツ大会、そしてコートジボワール代表に逆転負けを喫した2014年のブラジル大会はすべてグループステージで姿を消した。3つの大会すべてで勝利をあげられないまま最下位で敗退した点に、精神的にもダメージを負ったチームを短期間で立て直す難しさが反映されている。
だからこそW杯優勝回数でブラジル代表の5度に続き、4度でイタリア代表と並んでいるドイツとの初戦で、最低でも勝ち点1を獲得する必要がある。ゲームをコントロールするボランチの遠藤航(29、シュツットガルト)はチームに求められるシナリオにこう言及する。
「結局は状況によって、となっていくので、最初からそれほど大きく考えていない。もちろん前半を無失点で折り返せたら、それはそれでいいけど、だからといって最初からスコアレスドロー狙いのサッカーをするわけでもない。そこは立ち上がりの雰囲気や展開を見て判断していく」