海外メディアはアルゼンチンがサウジアラビアに敗れる大番狂わせをどう分析したか…”闘将”ロイ・キーン氏は「後半はひどすぎた。落ち着きに欠いていた」
FIFAワールドカップ・カタール大会のグループステージ3日目、4試合が行われ、36年ぶり3度目の優勝を狙うアルゼンチン代表がFIFAランキング51位のサウジアラビア代表に1-2で敗れるW杯の歴史に残る番狂わせがあった。今大会が最後のW杯となることを公言しているエースのリオネル・メッシ(35)は先制PKを決めたが、後半の約5分間で逆転を許して、その固い守りをこじあけることができずに2019年のコパ・アメリカから続いていた連続無敗試合が36でストップした。海外メディアも世紀のジャイアントキリングを大々的に取り上げた。
敗戦には3つの要因重なる
まさかのアルゼンチンの黒星スタートに8万8000人を超えるサポーターで埋まったルサイルスタジアムが騒然となった。前半10分に先制PKを決めたメッシは、両手で顔を覆い呆然。後半の3分、8分と立て続けにゴールを奪われて逆転を許すと、怒涛の攻撃を続けたが、7人で守る強固なサウジアラビアディフェンスを最後まで破ることができなかった。
36戦無敗中で今大会の優勝候補にも挙げられていたアルゼンチンがグループCで一番の“格下”と思われていたサウジアラビアに敗れるという大番狂わせを海外メディアも一斉に報じた。
アルゼンチンの地元紙である「クラリン」は「アルゼンチンは蜘蛛の巣に巻き込まれ、歴史的な打撃を受ける」との見出しを取り、「カタール2022でのアルゼンチンの初戦は、誰もが想像も期待もできなかった結果に終わった。前半にメッシがPKを決めたが優位に立てず、緊張と混乱を利用して集中的で激しい攻撃を見せたサウジアラビアに逆転された。グループCで最も格下に敗れたことは大打撃であり、史上最悪のスタートとなった」と報じた。
同紙は敗因も分析。
「アルゼンチンは、通常のゲーム、つまりパスで崩してスペースを見つけるまでプレーをまとめるというゲームを優先しなかった。4-4-2のシステムは4-2-4になっていた」
「また敗戦には3つの要因が重なった。彼らは悪いプレーをして、サウジアラビアを過小評価し、そして不運だった」と、油断やVAR判定で3つのゴールがオフサイドで幻に終わったことなどを伝えた。
また米スポーツ専門チャンネルのESPNも「サウジアラビアがワールドカップ史上最大のショックの一つを演出してメッシとアルゼンチンに衝撃を与える」との見出しを取り、「アルゼンチンはW杯でうまくスタートすることが少ないが、そんな彼らにとっても衝撃の番狂わせだった。FIFAランキング51位のサウジアラビアが、後半立ち上がりの混乱した5分間に2ゴールを決めて、1990年のイタリア大会で、前大会覇者のディエゴ・マラドーナを擁するアルゼンチンを破ったカメルーンのような大会史上最大のショックの一つを記録した」と伝えた。
記事は「リオネル・スカローニ監督のチームは、前半で試合を終わらせるべきだったが、どういうわけか後半序盤にリードを許していた。彼ら自身が責めを受けるべきで、もう少し注意深くプレーしていれば、彼らは前半で5-0とリードすることもできていた」と、VARで3つのゴールが幻に終わっていたことを指摘。