有言実行の“ニューヒーロー”堂安律がSNSバッシングを恐れずビッグマウスを続ける源泉とは…クロアチア戦に向け「戦術よりも球際で引かずに戦う姿勢が大事。日本の歴史を変えたい」と決意
FIFAワールドカップ・カタール大会の決勝トーナメント1回戦が3日にスタート。グループEを1位で突破した日本代表は明日5日18時(日本時間6日0時)、ドーハ近郊のアル・ジャヌーブ・スタジアムで前回準優勝のクロアチア代表と対戦する。日本は3日からドーハ市内の練習拠点で調整を再開。ドイツとスペインからゴールを奪い、1大会における日本人最多得点に並んだMF堂安律(24、フライブルク)は「2点を取ったことはもう忘れた」と明言。個人的な記録よりも史上初のベスト8入りへ全身全霊をかけると誓った。
「リザーブからスタートするのは嬉しくないですけど…」
冒頭以外は非公開で行われていた全体練習が終了したと、メディアへ伝えられてからほとんど間を置かずに、堂安はピッチに隣接するメディアセンターへ姿を現した。
クロアチアとの決勝トーナメント1回戦へ向けて始動したこの日に限らず、練習後にメディアへの取材対応を行うときの堂安は、決まって一番手で取材エリアに登場する。
「コンディション的にはまったく問題がないし、みんなはエクストラ(で個人練習)をしていますけど、僕の場合はやる必要もないぐらい感じがいいので」
大粒の汗をしたたらせながら、堂安は全体練習だけで切り上げている理由を説明した。その視線はすでにクロアチア戦へ向けられている。グループステージの戦いよりも、日本が主導権を握る時間が多くなるのではないか。こう向けられた堂安は苦笑しながら言葉を紡いだ。
「ドイツやスペインに比べると、もちろんその可能性は少なからず高くなると思う。ただ、相手がどう出てくるかは始まってみないとわからない。ユーゴスラビア系の国民的な文化として、ひとつの物事に対してものすごく執着する性格を持っている。決勝トーナメントに入って目つきを変えてくるはずだし、戦術よりもひとつひとつの球際で引かずに戦う姿勢が大事だと思う」
ドイツとスペインを撃破したグループステージで大仕事を成し遂げた。
ともに途中投入されてからドイツ戦は4分後に、スペイン戦では3分後に利き足の左足から同点ゴールを一閃。試合の流れを一気に引き寄せ、その後の逆転ゴールへとつなげた。
「もちろん選手としては本望じゃないです。リザーブからスタートするのは嬉しくないですけど、森保監督が言っているように(選出されたメンバーの)26人全員で戦っている大会なので。準備の仕方や感覚はだいたいつかめているというか、非常によくなってきていると思う」
カタール大会を含めて、日本が臨んできた7度のW杯でひとつの大会で複数ゴールをあげた選手は通算3人目となる。2002年の日韓共催大会のMF稲本潤一(当時アーセナル)、2010年の南アフリカ大会のFW本田圭佑(当時CSKAモスクワ)と堂安との間には実は共通点がある。