日本がW杯”ベスト16の壁”打破に国際親善試合でのPK戦導入へ…クロアチア戦を教訓「運に任せるで終わってしまってはいけない」
日本サッカー協会(JFA)の技術委員会が12日に開催され、終了後に反町康治技術委員長(58)がオンラインでメディアに対応。PK戦の末にクロアチア代表に屈し、ベスト16で敗退したFIFAワールドカップ・カタール大会を踏まえて、今後、日本代表が臨む国際親善試合でPK戦を導入していくプランを明かした。すでに年代別代表では実施へ動いていて、カタール大会で団長を務めた反町委員長は「運に任せる、で終わってしまってはいけない」と、PK戦を4年後の次回W杯へ向けた強化ポイントのひとつに位置づけた。
技術委員会で議論
延長戦を含めた120分間の攻防を終えても1-1のまま決着がつかず、突入したPK戦でクロアチアに1-3で屈してから1週間。目標に掲げてきたベスト8の一歩手前で敗退したカタールW杯がクライマックスを迎えているなかで、JFAが早くも動き出していた。
この日午後に森保ジャパンの敗退後では初めてとなる技術委員会を開催。終了後にオンラインでメディアに対応した反町技術委員長は、団長としてチームに帯同した経験を踏まえて、日本中を興奮させ、感動させた今大会の結末をシビアな観点で位置づけた。
「PK戦だから運に任せる、で終わってしまってはいけないと考えている」
クロアチアは9日(日本時間10日未明)の準々決勝でも、PK戦の末に優勝候補のブラジル代表を撃破してベスト4進出を決めている。準優勝した前回ロシア大会でもデンマーク代表との決勝トーナメント1回戦、ロシア代表との準々決勝をともにPK戦の末に勝ち抜いた。
迎えたイングランド代表との準決勝も、三度PK戦突入の予感が漂い始めた延長後半4分に勝ち越しゴールを奪った。粘り強さが際立つクロアチアの戦いぶりを、反町技術委員長は「彼らにとってのPK戦は、それほど目新しいものではないんですよ」と分析する。
翻って森保ジャパンはどうだったのか。
初陣でコスタリカ代表に3-0で快勝した、2018年9月11日の国際親善試合から数えてクロアチア戦は62試合目。勝利が41、敗戦が12をそれぞれ数え、公式記録上では引き分けとなるクロアチア戦を含めて引き分けは9だったが、PK戦突入は今回が初めてだった。
森保一監督(54)がU-24代表監督を兼任して臨んだ昨夏の東京五輪では経験がある。延長戦を含めた120分間の戦いを終えても0-0で決着がつかなかったU-24ニュージーランド代表との準々決勝。4-2で制したPK戦に臨んだGKおよびキッカーのうち、クロアチア戦でもその舞台に立ったのはキャプテンのDF吉田麻也(34、シャルケ)だけだった。
昨夏と同じく、キッカーを立候補で募った森保監督の方針のもとで臨んだPK戦。しかし、1番手のMF南野拓実(27、モナコ)と2番手のMF三笘薫(25、ブライトン)が、クロアチアの守護神ドミニク・リバコビッチ(27、ディナモ・ザグレブ)に立て続けに止められた。