デシャン監督続投濃厚でジダン氏のフランス代表監督就任が遠のく?!
FIFAワールドカップ・カタール大会で60年ぶりの連覇を狙ったフランス代表は決勝でアルゼンチン代表にPK戦で敗れた。注目は就任11年目となるディディエ・デシャン監督(54)の進退。フランスサッカー連盟は、高く評価しており、本人の意思に委ねられている状況で、同国メディアは4年後のW杯北米大会まで続投濃厚との見方を示しているが、その影響を受けそうなのが、次期監督候補の元フランス代表のスーパースター、ジネディーヌ・ジダン氏(50)だ。昨年5月にレアル・マドリード監督を退任し現在フリーの立場にいるジダン氏の“今後“についてもクローズアップされている。
仏サッカー連盟は準優勝させたデシャン監督の手腕を評価
2012年7月就任のデシャン監督が長期政権に突入しそうだ。
フランスのスポーツ紙「レキップ」が「デシャンがカギを握る」との監督問題に関する記事を19日付けで配信。来年1月に行われるフランスサッカー連盟のノエル・ル・グラエ会長との会談で、すべてが決定するが、同会長は続投を要請する方針。
仏の有力紙「ル・モンド」によると、同連盟会長は、ポール・ポグバやカリム・ベンゼマなど主力選手に怪我人が続出していたにもかからずチームを決勝まで導き、アルゼンチン戦では、0-2の劣勢から、積極的な選手交代でリズムを取り戻して追いつき、延長戦でも先にリードを奪われながら再度同点にしたデシャン監督の手腕を評価。
「(主力の)不在にもかかわらず、ディディエ(デシャン監督)は常に解決策、適切な(勝利)方式、典型的なフォーメーションを見出した」と称賛している。
また同連盟の執行委員会のメンバーであるエリック・ボルギーニ氏も「デシャンが代表監督にふさわしい。彼は一般大衆の関心を集めている」と評価。2018年のW杯優勝と今大会の準優勝で6000万ユーロ(約83億4000万円)以上の賞金を稼いでいることもプラス材料だという。
デシャン監督は、決勝後に自らの進退について「それについては今は話したくない。予定通りに1月に会長と会う」とだけ話して、自らの考えを明かさなかった。だが、前出の「レキップ」や「ル・モンド」は2026年の北米W杯までの続投が濃厚だとの見方を示している。
デシャン監督の続投の可能性が高まったことを受けてクローズアップされたのが、次期監督の有力候補とされていたジダン氏の“今後”だ。
「レキップ」だけでなく、スペインのスポーツ紙「マルカ」も、昨年5月にレアル・マドリード監督を辞任して、現在フリーとなっているジダン氏について注目。
「デシャン監督が2026年6月まで代表監督を続投する可能性が高いということは、ジダン氏が代表監督就任を待たねばならないことを意味する」という記事を配信した。
フランス代表キャプテンとして自国開催である1998年のW杯優勝に貢献したジダン氏は、決勝戦で「頭突き事件」を起こした2006年のドイツW杯を最後に現役を引退。その後、現役時代に所属したレアル・マドリードで、指導者の道を歩み始めて、2016年1月に監督就任、欧州チャンピオンズリーグ3連覇にチームを導くなどして、2017―2018年のFIFA最優秀監督賞を受賞した。一度は退任したが、再度復帰、無冠に終わった2020ー2021年シーズンを最後に再び辞任していた。