【独占激白】“熱男”松田宣浩の巨人入り真相…原監督「ムードメーカーじゃない」の言葉と王会長「いいチームに入った」の激励
巨人へ入団した元ソフトバンクの松田宣浩(39)が、RONSPOの独占取材に激白。巨人からのオファーがなければ、引退を決意していたという本音や巨人の原辰徳監督(64)とソフトバンクの王貞治会長(82)から贈られた心に響いた言葉を明かした。野球人生の終着点に伝統チームを選んだ「熱男」の思いを2回にわたって紹介する。
「手を差し伸べてくれる球団がなければ引退だった」
もう巨人のユニホームがさまになっている。
「オレンジかっこいいですね。いいなあと思いました」
入団会見に続き先日の野球教室でも袖を通した。
背番号は「23」。
「初めての2桁背番号。23(にいさん)で(チームの)兄貴だし、2プラス3で5(ソフトバンク時代の背番号)だしね。いいじゃないですか」
入団会見は11月15日。東京ドームホテルだった。
「39歳。引退会見でも不思議ではないのに入団会見。幸せ以外の何ものでもない。11月15日は、僕の野球人生第二章のスタートの日。気持ちが変わった。久しぶりに緊張した」
来年プロ18年目を迎える男が新しい旅立ちの日に興奮していた。
「まさかこうなるとは思っていなかった」
人生の揺れた2か月間だった。
戦力外を通告されたのは9月15日。
「退団するか、引退するか」を迫られ、その回答期限をチームの11連戦が終わる9月22日に区切られた。もし引退を決断した場合、引退試合の日程まで決まっていたという。
「その2か月間、どうなるかわからなかった。もし手を差し伸べてくださる球団がなければ、辞めざるをえなかった。引退会見なしの引退です」
壮絶な覚悟だった。国内の独立リーグや海外チームでの挑戦という選択肢は「考えていなかった」という。
だが、松田は「迷いや揺れは一切なかった」と振り返った。
「まだ大好きな野球があるし、元気だからやってみよう。ないならあきらめようと思った」
こだわったのは40歳現役だ。
「もう1年やりたかった。同年代で辞める選手もいる。野球が嫌いになった。体が痛いところだらけであきらめていく。おかげさまで僕には、その2つの引退理由がなかった」
自由契約選手との交渉が解禁となった12球団合同トライアウトの翌日の11月9日に真っ先にアプローチしてくれたのが巨人だった。
「最初に声をかけてくれた球団に無条件でお世話になる。いろんな球団の話を聞いて比較などしない」と決めていた。
原監督からも電話があり複数回話をした。
先行した報道などでは「巨人のベンチの雰囲気を変えるムードメーカーとしての期待」という獲得理由が伝えられていたが、原監督はムードメーカー説をキッパリと否定したという。
「ムードメーカーじゃない。戦力として考えている。ひとりの野球人として戦力として考えているので、自信をもって飛びこんできて欲しい」
その指揮官の言葉が心に響いた。
「ホークスをクビになって、どうしようかと思っていたときに、そうやって見ていただいた方がいるんだと思うとうれしかった」
移籍に何ひとつ条件などなかった。
王会長にも入団会見の前日に報告した。
4年前にメジャー挑戦を迷ったときも、今回、退団を決意したときも電話で相談に乗ってもらった誰よりも巨人という球団を知るレジェンドは「強い思いがあれば、まだ十分にできる、いいチームに入った。一生懸命やれ、結果を楽しみにしているぞ」と激励してくれたという。