今日ゴング！計量でパンツを脱いだ井岡一翔は日本人初の2階級2団体統一王者になれるのか…最大“強敵”WBC王者エストラーダの緊急来場も決定

プロボクシングのWB0＆WBA世界スーパーフライ級統一戦（31日・大田区総合体育館）の前日計量が30日、東京都内のホテルで行われ、WBO世界同級王者の井岡一翔（33、志成）が1回目にリミット（52・1キロ）より130グラムオーバーで失敗、パンツを脱いでの再計量でクリアするというハプニングがあった。一方のWBA世界同級王者ジョシュア・フランコ（27、米国）は100グラムアンダーの52・0キロでパスした。試合当日には、井岡が「最も戦いたい男」と公言する2階級制覇王者で現WBC世界同級王者のファン・フランシスコ・エストラーダ（32、メキシコ）が来場することも決定。フランコを倒せば来年のドリームマッチが実現に近づく「絶対に負けられない統一戦」に井岡は勝利することができるのか。

　1回目の計量オーバーは「ギリギリを狙った結果のアクシデント」

　想定内のハプニングだった。両陣営の合意のもと、今回はデジタル体重計ではなく天秤式の計量器が使用されたが、1回目の井岡は52．3キロ。52．16のリミットを約130グラムオーバーしていた。
　隣にいたイスマエル・サラス・トレーナーが「パンツを脱ぎなさい」と指示。フランコが100グラムアンダーでパスした後に、井岡は特大のバスタオルで作られたカーテンの向こう側で、パンツを脱いで秤に乗り直して52.16キロのリミットでクリア。苦笑いを浮かべた。
　13日にバンタム級の4団体統一を成し遂げた井上尚弥（大橋）も自宅の体重計と世界戦で初めて使用されたデジタル体重計の誤差で30グラムオーバーとなり、トイレを済ませて2度目にクリアしたが、井岡も、井上と同様に何も減量に失敗したわけではない。
「減量は順調に体重も落ちていいコンディションが作れているが、ギリギリを狙いすぎた」
　自宅の体重計では100グラムオーバー。計量会場までの移動の代謝で落ちると踏み、「無理して落とさなくていいとの余裕はあった。最悪パンツを脱いだらいいかな」と計画していたが落ちなかった。
「ギリギリを狙った結果、アクシデントが起きたという感じ」
　フランコ陣営の“参謀”で全米屈指の名トレーナーとして知られるロバート・ガルシア氏も、「この程度のオーバーはボクシングではよくあること。体を見ると100％仕上がっているし何も問題はないのだろう」と、井岡に試合に影響を及ぼすほどの苦しい減量があったとは捉えていなかった。
　
　さらなるモチベーションがアップするニュースも飛び込んできた。
　2017年の大晦日に電撃引退を発表した井岡が再起するにあたって目標にし、「最も戦いたい男」として、防衛の度に対戦を熱望していた元2階級制覇王者で現WBC世界同級王者のエストラーダが来場してリングサイドに座ることになったのだ。
　エストラーダは、この3日に宿命のライバルであるローマン・ゴンサレス(ニアラグア)との3度目対決に判定勝利して決着をつけ、試合後に「フライ級時代から井岡と戦いたいと思っていたがまだ実現していない。彼と統一戦ができることを願っている」と、井岡の名前を次なる対戦相手として挙げた。それを聞き井岡も「彼にそういう発言をさせるところまできた」と感激していたが、今回は、井岡サイドが招待したわけではなく、エストラーダ側から「見に行きたい」と依頼があったという。
　井岡との統一戦を熱望した発言は、単なる社交辞令ではなく、本気である証拠だ。井岡は、WBOのランキング1位となった前WBO世界フライ級王者で“ネクスト・モンスター候補”として評判の中谷潤人（M．T）と180日以内に指名試合を戦わねばならないが、それをクリアすれば、軽量級のスーパースターとのドリームマッチが現実化しそうなのである。井岡が勝てば試合後のリングにエストラーダを上げて対面することも検討されているという。