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ボクシング界期待の新星…左から堤駿斗、那須川天心、武居由樹(写真・山口裕朗)
ボクシング界期待の新星…左から堤駿斗、那須川天心、武居由樹(写真・山口裕朗)

2023年のプロボクシング界に井上尚弥に迫る“ネクストモンスター”は出現するのか…那須川天心がいよいよ今春デビュー予定

プロボクシングの2023年はバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(29、大橋)のスーパーバンタム級への挑戦が最大の話題となるが同時に“ネクストモンスター”の台頭にも注目が集まっている。昨年8月に元K-1王者の武居由樹(26、大橋)が転向5戦目でOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王座を獲得。大晦日決戦のセミファイナルに登場した“アマ13冠“の堤駿斗(23、志成)はプロ2戦目に、その武居が倒した前王者からダウンを奪う圧巻の内容で判定勝ち、そして、いよいよ天才キックボクサーの那須川天心(24)がボクシング転向を正式に表明して今春にもデビューしてくる予定だ。

 天心にはデビュー前に米国修行計画

 

 2022年は日本ボクシング界にとって歴史的な1年だった。
 4月には“超ビッグネーム”のIBF世界ミドル級王者ゲンナジ―・ゴロフキン(カザフスタン)とWBA世界同級スーパー王者、村田諒太(36、帝拳)のドリームマッチが実現。6月には井上尚弥がノニト・ドネア(フィリピン)との再戦に衝撃的な2回TKOで決着をつけて3団体を統一、11月にはWBC世界ライトフライ級王者、寺地拳四朗(BMB)がWBA世界同級スーパー王者、京口紘人(ワタナベ)を倒した。そして12月に井上が日本人初の4団体統一の偉業を成し遂げ、“大晦日男”WBO世界スーパーフライ級王者、井岡一翔(志成)の悲願の統一戦は、ドロー決着となったが判定が物議を醸し話題を提供した。
 そして明けて2023年である。
井上のスーパーバンタム級への挑戦が最大の話題となることは間違いないが、“ネクストモンスター“候補のニューウェーブの台頭に期待がかかる年でもある。
 筆頭は天才キックボクサー、那須川天心のボクシングデビューだろう。
 天心は昨年6月にk-1王者の武尊と東京ドームを満員にする「THE MATCH2022」を戦い、1ラウンドに戦慄の左カウンターでダウンを奪い、文句のつけようのない内容でキックの頂上対決を制した。それがキック最後の試合。翌日の会見で天心は「生半可な気持ちで転向することは無い。僕の新たな挑戦というか、自分でもワクワクしていますし、ファンの皆さんもワクワクさせたい」とボクシング転向への決意を語った。
 2022年のボクシングデビューが期待されたが、実は、キックとの契約が年内いっぱい残っていたため、すぐさまボクシングへの転向とはいかなかった。だが、契約問題もクリアされ、ついに今月中にもボクシングへの転向が正式発表される予定だ。
 すでに水面下での準備は着々と進んでいて、昨年11月には米カリフォルニアに飛び、今回、井岡と対戦したWBA世界同級王者、ジョシュア・フランコ(米国)の参謀として来日した世界屈指の名トレーナーであるロバート・ガルシア氏の経営する「ロバート・ガルシア・ボクシングアカデミー」などでトレーニングを積んだ。自身の公式ツイッターではスパーリングの様子などもアップしていた。正式な転向発表後には、再び米国へいき、ボクシングへのモデルチェンジに本格的に取り組む方向。順調に進めば今春にもデビュー予定だ。
 年末に「M―1グランプリ」の出演順位を決めるクジ引き役を務めるなどメディアへの露出が多いことから知名度は格闘技に興味のない人々にも浸透しており、広告業界が作成している認知度、人気指数は井上に勝るとも劣らない。そこに実力と結果が伴えばボクシング界に一大センセーションを巻き起こすことは間違いない。関係者によると「すでに地域タイトルのランカーレベルの身体能力、スピード、スキル、当て勘を持ち合わせている」という。3年前には、ABEMAの1000万円シリーズ企画で現役を退いていた元世界王者の亀田興毅氏と3分3ラウンドのボクシングルールのエキシビションマッチで対戦したが、スピードとパワーで圧倒。もし採点をつければ3-0勝利のボクシングスキルを見せていた。
 早くも村田、井上戦などを配信した「アマゾンプライムビデオ」が天心のデビュー戦の配信に興味を示している。天心はこう語っていた。
「チャンピオンになるというのは誰しも目標としてあると思うんで、そこに向かってやっていくのは確かですね」

 

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