ボクシング転向正式表明の那須川天心は”モンスター”級の世界王者になれるのか…エキシで対戦経験のある亀田興毅氏の見解とは?
天才キックボクサーの那須川天心(24)が15日、自身の公式SNSでボクシングへの転向を正式発表した。近日中に正式会見が行われる。天心は、昨年6月に東京ドームで行われた元K-1王者の武尊(31)との頂上対決に判定勝利した試合を最後にキックを“卒業”、ボクシングへの転向を明かしていた。キック界で敵なしだった天心は果たしてボクシングでも成功できるのか。
公式SNSに投稿「第2章を皆で一緒に闘おう」
ついに天心がボクシング界に殴り込んでくる。15日、午後。自身の公式ツイッターに帝拳ジムでのシャドーボクシング写真と共に、こう投稿した。
「帝拳ボクシングジムでプロボクサーになるための準備を進めています。昨年11月にはアメリカ・ロサンゼルスでスパーリング中心のキャンプを行いました。皆さんの期待を大きく超えるよう 準備してるので楽しみに待っていてください 近日会見をするのでそちらもお楽しみに。第2章を皆で一緒に闘おう」(原文ママ)
最後は今の気持ちを表現するかのように炎の絵文字で締めていた。
昨年6月の「THE MATCH」での武尊戦勝利を最後にキック界は卒業したが、実はまだキックの契約が昨年いっぱいは残っていて表立ってボクシング転向に舵を切るわけにはいかないという事情があった。ただ水面下では、昨年11月に米国ロスで世界屈指の名トレーナー、ロバート・ガルシア氏の経営する「ロバート・ガルシア・ボクシングアカデミー」などでトレーニングを積んだ。自身の公式ツイッターではスパーリングの様子などもアップしていた。年が明けて契約問題がクリアされたため、まずボクシング転向を待ち望んでいるファンへの報告をSNSに投稿。近々正式会見が開かれる予定だ。
では天心はボクシングで通用するのか。
何をもって「通用する」と定義するかは難しいが、やはり世界王者になれるかどうかがひとつの目安だろう。すでに天心は、キック時代にボクシング形式のエキシビションマッチを戦っていて、そこに可能性を探るヒントはある。
2018年の大晦日には、ボクシング界の最高峰ボクサーの1人である無敗の元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー・ジュニア(45、米国)と3ラウンドのエキシビションマッチを行った。4階級以上の体重差があり天心は1ラウンドで3度倒されてTKO負けを喫したが、左のカウンターが顔面をかすめ、遊びにきていた”無敗の男”を一瞬、本気にさせた。
メイウェザーに触発された天心は2019年にABEMAの「那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」シリーズをスタート。WBA世界スーパーフライ級王者時代に、亀田大毅氏、名城信男氏らの挑戦を退けたテーパリット・ゴーキャットジム(34、タイ)、アマの関西学生リーグMVPで今年2月にプロデビューする藤崎美樹(33、KWORLD)と2分3ラウンドで対戦したが、互角以上に渡り合い、そのシリーズのスペシャルマッチとして元3階級制覇王者、亀田興毅氏(36)とも対戦した。互いに決定的なシーンはなかったが、ガードから距離を潰しにくる亀田氏に対して、ジャブ、入り際のアッパー、左ストレートを軸にしたコンビネーションなどを浴びせ、手数と勢いでは天心に分があった。
4年前とはいえ天心の実力を肌で知る亀田氏にズバリ核心を聞いてみた。