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エンゼルスのまさかの球団売却中止は今オフにFAとなる大谷翔平の去就にどんな影響を与えるのか?(写真・AP/アフロ)
エンゼルスのまさかの球団売却中止は今オフにFAとなる大谷翔平の去就にどんな影響を与えるのか?(写真・AP/アフロ)

長期契約での残留か移籍か…エンゼルス球団売却中止は今オフFA大谷翔平の去就にどう影響するのか…米メディアの見解も割れる

 エンゼルスは23日(日本時間24日)、球団売却を中止すると発表した。昨年8月に球団売却などを検討する手続きを開始したことを発表。複数の新オーナー候補が名乗りをあげていたが、アート・モレノオーナーが、「やり残した仕事がある」と、2023年以降も引き続き所有権を継続することを表明した。この方針転換は、今オフにFAとなる大谷翔平(28)の去就に大きな影響を与えると思われ、米メディアは独自の見解を伝えたが、残留か移籍か様々な意見が飛び交う異常事態となっている。

 「大谷は(球団を)去るだろう」

 

 突然の方向変換だった。この日、モレノオーナーは「私たちには、やり残したことがあることが明確になった。私たちが将来のチーム、ファンにポジティブな影響を与えることができると感じている。このオフは選手の総年俸が球団史上最高額になることを約束し、ワールドチャンピオンをファンに取り戻すという目標を達成したい」という声明文を発表。昨年8月に球団売却の方針を明かし、NBAウォリアーズのオーナーを務めるジョー・レイコブ氏ら複数の候補が買収に興味を示していたが、結局、2003年からオーナーを務めるモレノ氏は、決断を渋り、まさかの売却中止となった。
 大きな影響を受けるのは今季3000万ドル(約39億円)の1年契約を結んだ大谷の去就だ。米メディア、ファンの関心も、そこにあり、今オフにFAとなる大谷の去就を巡って様々な見解が飛び交う異例の事態となった。
 シーズン中、あるいはシーズン前に長期契約を結び直して大谷を引き留めるのか、それともFAで出ていくことを前提に、若手有望株とのトレードで放出するのか。もちろん大谷の考えにも左右される問題だが、モレノオーナーの方針次第で、様々なシナリオが考えられる。
 地元紙のザ・プレスエンタープライズ紙は、大谷が球団を去る可能性が濃厚になったという見解を示した。
「当然だが球団売却を受けての世論の最初の反応は大谷のアナハイムでの未来にどんな意味をもたらすのかという問題に関しての臆測だった。それらは極めて私的な意見だが、“彼は(球団を)去るだろう”でほぼ一致した」
 ファンの声は残留に悲観的なものがほとんどだったという。
「楽観的に見ると、モレノ氏が球団オーナーに留まることで長期契約へ向けた話し合いの再開が容易になると考えることもできる。だが、その考えは、大谷が『勝ちたい』と明かしてきた事実を無視している。野球界で最高の選手(大谷とマイク・トラウト)が2人いながら、エンゼルスは2016年から勝率5割まで借金68、大谷とトラウトが一緒になってからの5シーズンでも借金52を下回ることがなかったチームが、それ(ポストシーズン進出)をいつ起こせるだろうか」
 エンゼルスは2015年以来、8年連続でプレーオフ進出を逃し、昨年はシーズン途中に実績のあるジョー・マドン監督が解雇された。
 ただ今オフにエンゼルスは積極補強に動いた。FAでは、3年総額3900万ドル(約50億円)で、昨季ドジャーズで15勝5敗だったタイラー・アンダーソン、2年1700万ドル(約22億円)で昨季レッズ、パドレスでキャリアハイの28本塁打、87打点の成績を残したブランドン・ドルーリーを獲得、トレードで昨季ブリュワーズで29本、72打点のハンター・レンフロー、ツインズで、打率.285、13本塁打だったジオバニー・ウルシェラらを獲得したが、同メディアの評価は、それほど高くなかった。

 

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