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FAカップのリバプール戦でブライトンの三笘薫が後半アディショナルタイムに“神技”決勝ゴールを決める(写真・ロイター/アフロ)
FAカップのリバプール戦でブライトンの三笘薫が後半アディショナルタイムに“神技”決勝ゴールを決める(写真・ロイター/アフロ)

なぜプレミアで三笘薫は大ブレイクしているのか…ブライトンの「4-2-3-1」へのシステム変更とW杯で味わった悔しさ

  プレミアリーグのブライトンに所属する日本代表MF三笘薫(25)が文字通りの無双状態にある。公式戦で7試合続けて先発している三笘は、その間に4ゴールをゲット。29日(日本時間30日)のリバプールとのFAカップ4回戦では、後半アディショナルタイムに空中ダブルタッチという“神業”から劇的な決勝ゴールを決めた。切れ味鋭いドリブルで世界へインパクトを与えた、W杯カタール大会を経て一気にブレーク。サッカーの母国を席巻している要因に迫った。

 デ・ゼルビ氏への監督交代が契機

 

 150年を超える歴史と伝統を誇るFAカップで、前回王者リバプールを4回戦で敗退させたヒーローへの賛辞は一夜明けても収まらない。イギリスを含めた世界中のメディアが、決勝点を叩き込んだ三笘を取り上げるなかで目を引く表現があった。
 ヨーロッパを中心とした世界59ヵ国へ、サッカーを含めたさまざまなスポーツを配信している衛星放送局の『EUROSPORT』は、公式サイトでの選手寸評で「彼のプレーを見るのは何と楽しいことだろうか」と三笘を称賛。さらにこう続けた。
「彼は試合を通してリバプールに問題を与え続けた。彼はロベルト・デ・ゼルビ監督から伝統的なウインガーとしてプレーする自由を与えられている」
 今シーズンのブライトンは、リーグ戦で開幕から4勝1分け1敗と好スタートを切った。しかし、2019-20シーズンから指揮を執ってきたグレアム・ポッター前監督(47)が9月に入って、チェルシーに引き抜かれる形で電撃退任。後任を託されたイタリア人のロベルト・デ・ゼルビ監督(43)の采配が、三笘にとってターニングポイントになった。
 ポッター前監督のもとで三笘のプレー機会は4試合、すべて後半途中からの出場にとどまっていた。ポジションは[3-5-2]システムの左ウイングバック。先発のファーストチョイスは、ベルギー代表FWレアンドロ・トロサール(28)だった。
 デ・ゼルビ監督も当初は[3-5-2]を継承し、三笘の立場も変わらなかった。しかし、就任後の5試合で2分け3敗と結果が出ない。迎えた昨年10月29日。三笘をシャドーで初先発させたチェルシー戦で4-1と快勝すると、指揮官は続く11月5日のウルヴァーハンプトン戦から[4-2-3-1]システムへ変更。左サイドハーフの先発に三笘を指名した。
 攻撃時にはウイングの役割を担うポジションでこそ三笘が最も生きる。川崎フロンターレ時代から慣れ親しんだシステムでチャンスを得た三笘は、前半44分にプレミアリーグ初ゴールをマーク。チームの逆転勝利に貢献してからは、体調不良で欠場した1試合を除いて先発をキープ。出場機会を減らしていったトロサールは20日にアーセナルへ移籍した。

 

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