香川真司のセレッソ復帰は成功するのか?
J1のセレッソ大阪は1日、元日本代表MF香川真司(33)がシントトロイデン(ベルギー)から完全移籍で加入すると発表した。2010年7月にセレッソからボルシア・ドルトムント(ドイツ)へ移籍した香川は、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)などヨーロッパ6カ国、延べ7クラブでプレー。実に12年半ぶりとなる日本への復帰を決めたが、すでに補強を終えた古巣セレッソは1月8日から新シーズンへ向けて始動している。故障明けの香川に食い込む場所はあるのか。
欧州6か国、7クラブでプレー
ベルギーの地元紙が香川のシントトロイデン退団と、日本への復帰を報じてから4日。香川が深い愛着を抱き続けた古巣セレッソが、完全移籍での加入を発表した。
高校2年生だった2006年1月に、FCみやぎバルセロナ(宮城県仙台市)から加入。公式戦127試合で57ゴールという結果を残した香川は、21歳だった2010年7月に移籍したドルトムントを皮切りにヨーロッパ6カ国、延べ7クラブでプレーしてきた。
ドルトムントではブンデスリーガ1部連覇に貢献するなど、センセーショナルな活躍を演じた香川は、2012年夏には強豪マンチェスター・ユナイテッドへ移籍。名将アレックス・ファーガソン監督のもとで、2012-13シーズンのプレミアリーグ制覇にも貢献した。
2014-15シーズンが開幕した直後にはドルトムントへ復帰。しかし、2018-19シーズンにチームの構想から外れると、出場機会を求めて2019年1月にベシクタシュ(トルコ)へ期限付き移籍。30歳で迎えた2019-20シーズン以降はサラゴサ(スペイン2部)、PAOK(ギリシャ)、そしてシントトロイデンと移籍を繰り返したが、思うような結果を残せなかった。
苦難の時期に直面してから、セレッソは香川へ幾度となくオファーを出している。香川自身も日本に戻るのならばセレッソ以外にないと古巣を特別なクラブに位置づけながら、その度に「まだやり残したことがある」とヨーロッパでの挑戦を継続させてきた。そうした経緯があるだけに、実に12年半ぶりとなる復帰をファン・サポーターも歓迎している。
しかし、受け入れるセレッソはすでに1月8日に始動。温暖なタイでのキャンプを経て、いま現在は宮崎県内で新シーズンへ向けて新チームを作り上げている。
2021シーズンの途中から指揮を執る小菊昭雄監督(47)のもと、昨シーズンのセレッソはリーグ戦で5位に食い込み、YBCルヴァンカップでは2シーズン連続で準優勝を果たした。サンフレッチェ広島との決勝戦では、後半アディショナルタイムまで1-0とリード。通算3個目のタイトル獲得まで目前に迫りながら、まさかの連続ゴールを喫して涙を飲んでいる。
1月8日に行われた新体制始動会見。小菊監督は「チームの確固たるベースができた1年だった」と昨シーズンを振り返るとともに、自身がうさぎ年生まれの年男だと持ち出した上で、指揮を執って3年目となる新シーズンの目標をタイトル獲得に定めている。
「うさぎのように常に前へ、大きく飛躍するシーズンにしたい」