なぜイタリア移籍サイトは鳥栖DF中野伸哉をロナウジーニョ息子と共に「将来欧州で活躍する若手有望株」の1人に取り上げたのか?
移籍市場に詳しいイタリアの情報サイト『TUTTOmercatoWEB』が10日、タイトルに「今日の逸材」と打った特集のなかで、サガン鳥栖に所属するU-19日本代表DF中野伸哉(19)を取り上げた。元ブラジル代表FWロナウジーニョの息子で、先にバルセロナのユースに加入したFWジョアン・メンデス(17)ら8人の十代選手をフォーカス。鳥栖で公式戦80試合に出場している中野を「すでにヨーロッパへ飛躍する準備ができている、若手有望株の一人と見なされている」と紹介した。
「フィジカルも強く、あらゆる状況に対処でき、指揮官が常に信頼を置ける」
16歳でJ1デビューを果たしてから2年半あまり。鳥栖の一員としてすでに公式戦で80試合に出場しているホープが、ヨーロッパの移籍市場でスポットライトを浴びた。
ヨーロッパの移籍市場に詳しいイタリアの情報サイト『TUTTOmercatoWEB』が、タイトルに「今日の逸材」と打った特集のなかでロナウジーニョの息子として注目され、先に父親の古巣バルセロナのユースに加入したメンデスら8人の十代若手選手をピックアップ。そのなかでアジア勢からただ一人、鳥栖で左サイドバックを主戦場とする19歳の中野が名を連ねた。
同サイトは身長173cm体重64kgのサイズを持ち、3バックの左センターバックとしてもプレーできる左利きの中野を「フィジカルも強く、あらゆる状況に対処できる点で、指揮官が常に信頼を置けるアスリートと言える」と高く評価。19歳にしてすでに80もの公式戦に出場している実績も加味しながら、結論として次のようにまとめた。
「すでにヨーロッパへ飛躍する準備ができている、若手有望株の一人と見なされている。彼自身もヨーロッパ大陸でプレーするチャンスを待っている」
佐賀県佐賀市で生まれ育った中野は小学校1年生でサッカーを始め、中学校への進学を機に鳥栖のアカデミーに加入。心技体を磨く過程で年代別の日本代表にも名を連ね続け、2019年10月にブラジルで開催されたFIFA・U-17W杯では全4試合で先発した。
翌2020年からはU-18に所属したままトップチームの試合に出場できる、JFA・Jリーグ特別指定選手として登録。同年8月1日に行われたFC東京戦で、鳥栖がリードを奪っていた後半34分から途中出場。冒頭でも記したJ1デビューを敵地の緊張感のなかで果たした。
試合後に当時の金明輝監督(現FC町田ゼルビアヘッドコーチ)は、サイズ的に華奢に映る中野について「みなさんが思っているような選手ではない」と明言。守備力の高さを買ってリードを守るために起用したと強調しながら、中野へ抱く期待にも言及している。
「飛び級で日本代表にも選ばれていて吸収力も早い。消化試合で出すのではなく緊迫した状況で出すことが成長を促し、さらに一歩前に進むためにもなると考えました」
翌2021年3月には東京五輪を控えていたU-24日本代表に大抜擢される。3年生に進級する直前の高校生が、本来の対象世代となるU-18代表だけでなくU-20代表をも超越。久保建英や堂安律らと共演する構図は注目を集め、一気に名前が知れわたった。