“悪童”ネリが11回TKO勝利でWBC世界Sバンタム級王座への指名挑戦権をゲット…「井上尚弥でもフルトンでも戦う準備はできている」と豪語
プロボクシングのWBC世界スーパーバンタム級の挑戦者決定戦が18日(日本時間19日)、カリフォルニア州ポモナのフォックスシアターで行われ、元2階級制覇王者で同級2位のルイス・ネリ(28 、メキシコ)が同級3位のアザト・ホバニシャン(34、アルメニア)を11回1分51秒レフェリーストップによるTKOで下した。現在の王者は、5月に日本でたバンタム級の前世界4団体統一王者の井上尚弥(29、大橋)が挑戦することが決定しているWBOとの統一王者スティーブン・フルトン(28、米国)。井上がタイトルを獲得すれば、井上vsネリの可能性が出てくるが、ネリは元WBC世界バンタム級王者、山中慎介氏(当時帝拳)との再戦で常識外れの体重超過による計量失敗をして日本のリングからは事実上の永久追放扱いとなっている。ネリの戦績は34勝(26KO)1敗となった。
「KOは予想していたしKOで終わることはわかっていた」
壮絶な打撃戦を制した。
11ラウンド。ネリが左フックを一発浴びせるとホバニシャンはニヤっと笑ったが体がぐらついた。さらにもう一発左フックをお見舞いすると完全にホバニシャンの動きが止まり、レフェリーが間に入って試合をストップした。歓喜のネリはコーナーに駆け上がりファンの声援にガッツポーズで応えた。
“クレイジーA”の異名を持つホバニシャンは、レフェリーに何やら抗議をしていたが、ダメージの蓄積は顕著で賢明なストップだっただろう。
ネリは、10ラウンドにも左フックから右フックを打ち込んで、ホバニシャンをロープに後退させ右ストレートから左フックで追い打ちをかけて1度目のダウンを奪っていた。ホバニシャンはゴングに救われたが、ネリは次のラウンドでのフィニッシュチャンスを逃さなかった。
総パンチ数では、ネリの596発を上回る688発のパンチを放ち、最後まで辛抱強く手を出し続けてきたホバニシャンとの過酷な消耗戦を勝ち切り、WBC世界スーパーバンタム級王座への指名挑戦権を得たネリは、リング上で、WBCメダルをクビから下げてインタビューに応じた。
「いい気分だ。激しい戦いになることは分かっていた。このために懸命に準備をしてきたが、勝利を手に入れられると考えていた。試合は本当に激しいもので、ファンにとって楽しいものだっただろう」
ーーKO決着を考えていたのか?
「KOは予想していたし、KOで終わることは分かっていた。彼はトップファイターだ。ファンの前で彼をKOできてよかった」
ネリは、KO決着を狙っていたことを明かし、5月に日本で開催予定の現WBC&WBO世界同級統一王者のフルトンと、前バンタム級4団体統一王者、井上とのタイトル戦の勝者への挑戦権を得たことについて質問されると「井上とやりたい。フルトンとやりたい。今夜、それが分かってもらえたと思う。フルトンであろうと井上であろうと王座に挑戦する準備は整っている」と強気の発言をした。
先日は、米メディアの取材に応じて「井上はみんなが思っているようなモンスターじゃない。彼を倒すことは可能だ」と井上を挑発していた。