なぜ浦和レッズは“ドン底”開幕連敗を喫したのか…「2試合で勝ち点はゼロ。かなり悪い状況だと思っている」
明治安田生命J1リーグ第2節の6試合が25日に行われ、浦和レッズが敵地・日産スタジアムで昨シーズン王者の横浜F・マリノスに0-2で完敗。FC東京との開幕戦に続く零封負けで単独最下位に転落した。試合後にサポーターはブーイングとエールで選手を叱咤。今シーズンから指揮を執るマチェイ・スコルジャ監督(51)は開幕ダッシュの失敗に危機感を露にした。
指揮官「まずは怒りと失望の気持ちが大きい」
長いチームミーティングを経て臨んだ試合後の公式会見。厳しい表情を浮かべながら会見場に姿を現したスコルジャ監督が、浦和の現状に対して厳しく言及した。
「まずは怒りと失望の気持ちが大きい」
就任して間もないスコルジャ監督は、なぜネガティブな思いを吐露したのか。ポーランド出身の指揮官が嘆いたのは、前半18分に先制されるまでの戦いぶりだった。
「前半の立ち上がりはミドルゾーンのプレスのところで、マリノスに対するリスペクトが大きすぎると感じた。アグレッシブさが足りず、遅れてしまう展開で2度の決定機を作られてしまった。2試合プレーしたところで勝ち点がゼロ。かなり悪い状況だと思っている」
勝ち点だけでなくゴール数もゼロ。京都サンガF.C.もともに無得点で開幕連敗を喫しているが、総失点は浦和が上回っている。まだ2試合を終えた段階ながら、今シーズンのJ1戦線に臨む18チームのなかで、浦和が単独最下位に沈む状況を招いてしまった。
わずか3本のシュートしか放てない劣勢の末に、敵地でFC東京に0-2で完敗した開幕戦から中6日。再び敵地で昨シーズンの王者と対峙した第2節で、スコルジャ監督はまったく同じ11人を前半のピッチへ送り出した。先発を替えなかった理由をこう説明する。
「少し変だと感じた方もいるかもしれない。しかし、選手たちに自信を持って戦ってもらうために同じスタメンにした。シーズンがスタートしたばかりのところで、ミスを一度犯したことによって外されたと、選手たちに思われるような状況を避けたかったからだ」
しかし、笛吹けども踊らず、と言うべきか。昨シーズンまでのボールを繋ぐスタイルから一転、ハイプレスが掲げられたにもかかわらず、立ち上がりは必要以上にマリノスを畏怖。その代償として後塵を拝し続け、公式会見の冒頭における指揮官の発言に繋がった。
攻めてもゴールの匂いが伝わってこない。決定機はわずか2度。MFダヴィド・モーベルク(28)が相手ゴール前へ抜け出した後半9分はシュートに至らず、こぼれ球を拾ったMF小泉佳穂(26)が強烈な一撃を放った同12分は惜しくも左ポストの外側を通過した。
決して厚いとはいえない選手層も、先発メンバーを変えなかった背景にある。
7人のリザーブの顔ぶれも、1人を除いて開幕戦と変わらなかった。しかも負けている展開でFC東京戦は4人、マリノス戦に至っては3人と、ともに5人の交代枠を使い切らずに試合終了のホイッスルを聞いた。劣勢で起用できる攻撃陣が圧倒的に不足している。