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青森山田高監督からJ2町田ゼルビア監督へ異例転身した黒田剛監督が2戦目で待望の初白星(写真・松尾/アフロスポーツ)
青森山田高監督からJ2町田ゼルビア監督へ異例転身した黒田剛監督が2戦目で待望の初白星(写真・松尾/アフロスポーツ)

青森山田スタイルがJ2で通用した理由とは…FC町田の黒田剛監督が2戦目で初白星「初勝利がいつ来るのかと寝られないときも」

  明治安田生命J2リーグ第2節の7試合が26日に行われ、青森山田を高校サッカー界屈指の強豪校に育て上げた名将、黒田剛氏(52)を新監督に迎えたFC町田ゼルビアが初勝利をあげた。ホームの町田GIONスタジアムにザスパクサツ群馬を迎えた町田は、前半38分、後半39分にセットプレーから得点。スコアレスドローだったベガルタ仙台との開幕戦に続いて群馬を零封して手にした白星に、黒田監督は「ずっと寝られないときもありました」と安どの表情を浮かべた。

 ガッツポーズも笑顔もなし

 

 派手なガッツポーズも、弾けるような満開の笑顔もなかった。
 指揮を執って2戦目での初勝利を告げる試合終了のホイッスルが鳴り響いた直後。テクニカルエリアで腕組みをして戦況を見つめていた黒田監督は、自軍のベンチへ歩み寄りながら小さく手を叩き、喜ぶコーチングスタッフたちと拳でタッチを繰り返した。
 試合終盤における心境を、指揮官はこう振り返っている。
「守勢に回る時間帯があったなかで、交代で入った選手がかなり機能して、チームに再びエンジンがかかり出した、という印象を受けていました。やられる感じがしなくなったというか、これで試合を締められると思い、最後はちょっと安心して見ていました」
 後半24分以降に5人の交代枠をフルに活用。手放しそうになった主導権をしっかりと引き戻し、最後まで群馬にゴールを許さなかった。テーマに掲げる「勝つ、イコール、守れること」を実践しての初勝利。それでも指揮官は異なる思いも心の片隅に抱いていた。
「初勝利がいつ来るのかと、ずっと寝られないときもありました。開幕戦の引き分けから、次は本当に勝てるのかとすごくもがき苦しみ、不安になる時間も続いていたので、ひとつ勝ててホッとしているし、自分にとってすごくありがたい1勝になりました」
 スコアレスドローに終わった仙台との開幕戦から1週間。群馬戦のピッチへ送り出した先発メンバーは変わらなかったが、左サイドハーフのエリキ(28)とトップ下の高橋大悟(23)を入れ替える配置転換を介して、陣形を「4-2-3-1」から「4-4-2」へ変えた。
 オーストラリア代表としてW杯カタール大会でゴールを決めているミッチェル・デューク(32)と、横浜F・マリノス時代にJ1リーグで21ゴールをあげた実績を持つブラジル出身のエリキ。新外国人で組む2トップで脅威を与えても、それでもゴール前の守備を固められると踏まえた黒田監督は、群馬戦へ向けた練習のなかでセットプレーにもウエートを置いた。
「J2の力関係のなかでイニシアチブを取るために、ゴール前を固めてカウンターやリスタートを狙ってくるチームもかなりある。そこで逆にわれわれも優位性を生かしてリスタートから点を取れれば、精神的にもかなり試合を楽に進められるところも出てくるので」

 

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