なぜ阪神の岡田監督は沖縄キャンプの総括を「70点」としたのか…足りない30点とは?
岡田彰布監督(65)を新監督に迎えた阪神が27日、沖縄宜野座キャンプを打ち上げた。岡田監督はキャンプMVPに4年目の井上広大(21)、現役ドラフトでソフトバンクから獲得した左腕の大竹耕太郎(27)を選出した。2人に加え、野手では、ルーキーの森下翔太(22)、木浪聖也(28)、板山祐太郎(28)が台頭してチーム内競争が激化、内外野の守備も鍛えられて間違いなくチーム力はアップした。一方で不安要素は、外国人の出遅れと、令和版の「JFK」の目途がたっていない部分だろう。開幕までの1か月、岡田監督は“アレ”に向けてどう整備を進めていくのか。
キャンプMVPは井上と大竹
2月1日の沖縄キャンプイン初日に岡田監督は、約1か月後の総括の点数を予告していた。
「ずっと背番号と同じ80点よ。(キャンプで)完成したチームにはならんよ。(阪神、オリックス監督の)8年間80点と(キャンプ総括の自己採点で毎年)言うたな。シーズンに向けて、それが85になって90近くになって…でも100に持っていくことはないしできない」
果たしてキャンプ最終日の27日のキャンプ総括会見。
岡田監督が口にした点数は80点ではなく「70点」と10点下がった。
「最後ちょっと故障者とかあったんで」
新外国人のシェルドン・ノイジーが左腰の張りを訴えて実戦から離脱、ブルペンの一角を任す予定のジェレミー・ビーズリーが右足のコンデション不良で1日早く帰阪、梅野隆太郎も右肘の違和感でオープン戦出場を控えるなどの誤算があった。岡田監督は、その分を差し引いて10点を下げたが、「それまでは順調に1か月、まあいい練習ができた」との手応えがある。
まずはキャンプの光の部分から見ていきたい。
岡田監督は、キャンプのMVPに大竹と井上の名前を挙げた。岡田監督のことだから、恒例のMVP指名など行わないのではないか、との見方もあったが、チームへ刺激を与える狙いもあったのだろう。あえて台頭した新戦力として2人の名前をあげ、1本締めの前に行った全員ランニングでは、この2人に先頭を走らせた。
大竹はキャンプ序盤からブルペンで目立った存在で実戦3試合を9イニング無失点。井上は紅白戦と1、2軍での対外試合で、打率.364、3本塁打、10打点のチーム3冠。岡田監督は「思った以上に大竹が凄くいい姿を見せてくれた。バッターは井上。ひと皮剥けたというか、最後の方は練習でやった結果が実戦で出たことが、本人も凄く自信になったと思うし、どんどん使っていきたい気になる」と説明した。
大竹は、現役ドラフトで指名した時点で使えるとの確信はあったのだろうが、おそらく井上の成長は嬉しい誤算。バッティングに“間“がなくボールに衝突するような打撃フォームが致命的だったが、ここにきて、その“間“が作れるように進化してきた。