WBCを辞退した鈴木誠也の代替選手は誰がベストか…第1回V戦士の里崎智也氏の意見を聞く
WBCの侍ジャパン代表に選出されていたカブスの鈴木誠也(28)の出場辞退が2月28日に発表された。鈴木は同25日(日本時間26日)のジャイアンツとのオープン戦を左脇腹の張りで欠場し精密検査を受けていた。鈴木の辞退はどんな影響を与えるのか。そして代替選手は誰がベストなのか。栗山英樹監督(61)の選択は果たして…。第1回WBCのV戦士である元千葉ロッテの評論家、里崎智也氏(46)に意見を聞いた。
鈴木辞退の影響は?
中国とのWBC第1ラウンド初戦を9日後に控える侍ジャパンに衝撃が走った。カブスの鈴木が左脇腹痛で辞退することが決まったのだ。故障個所が打者にとって回復に時間がかかると言われている場所だけに、カブスでのオープン戦を欠場した段階で、侍ジャパンへの合流が心配されていたが、結果、無念の辞退となった。
鈴木は、前回大会の2017年のWBC、2019年のプレミア12、2021年の東京五輪で代表としてプレー。優勝したプレミア12では、打率.444、3本塁打、13打点の大爆発で大会MVPを獲得、東京五輪での個人成績はよくなかったが、全試合で4番を任されて金メダルに貢献した。
昨年、広島からポスティングで日本人野手としては史上最高額となる5年総額8500万ドル(約115億6000万円)の契約でカブスへ移籍して、111試合に出場し、打率.262、14本塁打、46打点の成績を残している。
今回の選出にあたって栗山監督からは「(メジャー組の)経験の広さが必要だと思った。一番計算ができる。左打者が多く右打者が必要だったので、いろんな形ができる」と絶大な信頼を寄せられていた。
当初の構想としては、レフトにオリックスからポスティングでレッドソックスに移籍した吉田正尚、センターにカージナルスのラーズ・ヌートバー、ライトに鈴木を予定してた。鈴木の辞退は、3大会ぶりの世界一奪回を目指すチームにどんな影響を及ぼすのか。
第1回のWBC優勝メンバーで大会ベストナインにも選ばれた元千葉ロッテの評論家、里崎氏は、「それほど大きな影響は及ぼさないのではないか」という意見。
「栗山監督にとっては当初の構想が狂ったのかもしれませんが、鈴木がいなくなったことでチームが崩壊してしまうような今回の代表メンバーではないと思いますよ。もちろん鈴木にはいて欲しかったでしょうが、1人、2人が入れ替わっても動じないほどのメンバーが揃っています」
栗山監督は、代表経験が豊かで、メジャーの野球を知る鈴木にチームリーダーとしての役割も期待していたようだが、里崎氏は、「ダルビッシュのように早めに合流していれば、チームへの影響力はあるでしょうが、鈴木は、ギリギリの合流予定だったので自分の調整のことで目いっぱいだった可能性もありましたからね」と、その部分の影響も、世界一奪回へ向けての致命的なものにならないとの見方を示した。
では代替選手は誰がベストなのか。
昨秋に豪州と対戦した侍ジャパンの強化試合に外野手で選ばれていたのは、阪神の近本光司、佐藤輝明、広島の西川龍馬、ヤクルトの塩見泰隆の4人。だが、里崎氏が、「左膝に不安を抱えているそうなので、コンディションに問題がなく本人が希望すればという条件つきですが、一択しかないと思います」と推薦するのが、日ハムの松本剛だ。
昨年は、打率. 打率.347で首位打者を獲得した右打者。「バッティングのコンタクト能力の高さに加えて、守備能力も高く、センターも守れるし、足もある」と里崎氏。
「そもそも日本代表に選ばれる左打者で左投手を打てないバッターはいませんが、バランスという点を考えれば、右打者の鈴木の代替は、同じく右打者がベストでしょう」と付け加えた。